Bitmineがイーサリアム(ETH)の保有量を約590万枚まで積み増し、流通量の5%保有目標に接近した。足元のステーキング利回りが維持されれば、追加取得がなくても報酬の積み上げだけで目標水準に届く可能性がある。一方で、イーサリアムの供給量増加や利回り低下は達成時期を左右する要因となりそうだ。
CryptoSlateが6日付で報じたところによると、Bitmineは8月30日までの1週間でETHを5万3501枚追加取得した。これにより、同社の保有量は約590万枚に拡大した。
このうち506万7309枚はステーキングに回している。直近7日ベースのステーキング年率利回りは2.67%だった。
公式開示後も追加取得が続いた可能性がある。ブロックチェーン分析企業Lookonchainは1日、Bitmine関連のウォレットがFalconXとBitgoを通じて約1億2600万ドル相当の5万1000ETHを追加取得した可能性があると指摘した。ただ、この取引はBitmineの最新開示では確認されていない。
Bitmineが示したイーサリアム流通量1億2070万枚を前提にすると、5%は約603万5000枚となる。8月30日時点の保有量約590万枚では、なお約13万4000枚が不足する計算だ。
もっとも、ステーキング数量と利回りが現状維持されるなら事情は変わる。506万7309ETHに年率2.67%を当てはめると、年間のステーキング報酬は約13万5000ETHとなる。単純計算では、追加取得なしでも報酬の積み上げだけで5%目標に到達し得る水準だ。
仮に5万1000ETHの追加取得分が実際の保有量に反映されれば、必要数量はさらに縮小する。不足分は約8万3000ETHまで減り、現在の利回りが続けば、1年分の報酬の約61%を保持するだけで5%を上回る計算になる。
ただ、5%達成が保証されているわけではない。最大の変数はイーサリアムの総供給量だ。Etherscanで9月5日時点に表示された発行量は約1億2202万枚で、これを基準にするとBitmineの8月30日時点の保有比率は約4.84%に低下する。この場合、5%確保に必要なETHは約20万枚に増える。
時間の経過とともに、供給量の増加やステーキング利回りの変動が与える影響は大きくなる。供給量が現在の水準で維持される前提なら、Bitmineは今後発生するステーキング報酬の約74%を保持することで、2年後に5%目標へ近づけるという。
一方、年間供給増加率が0.5%に上昇した場合、必要となる報酬の保持比率は約96.5%まで高まる。年間供給増加率が1%に達すれば、ステーキング報酬をすべて保持しても、追加取得なしでの達成は難しくなる。
ステーキング利回りの低下も無視できない。利回りが現在の2.67%から2%に下がれば、約506万ETHから得られる年間報酬は約10万1000ETHに減少する。ステーキング報酬だけで目標数量を満たすまでの期間は、より長期化する見通しだ。
こうしたなか、市場の焦点はBitmineの追加取得ペースそのものより、ステーキング報酬をどう扱うかに移りつつある。Bitmineはステーキング報酬を定期的にドルへ転換できるとしているが、発生した報酬のうちどの程度をETHのまま保有し続けるかについて、固定的な方針は示していない。
ステーキングで得たETHを保有すれば、市場で新たに買い増さなくても保有量を増やせる。一方で現金化すれば、運営費や株主向け支払いの原資に充てられる。
コスト構造も判断材料となる。BitmineとEthereum Towerの管理契約には、成果連動型の手数料に加え、インフラやカストディ関連の費用が含まれる。BitmineはBMNP優先株について現金配当を17回宣言しており、支払いは12月末まで続く。
同社の四半期報告書も、イーサリアム価格とステーキング利回りの変動が、運営費や優先株配当の資金確保に影響を及ぼす可能性があると警告した。ステーキング報酬として受け取ったETHを売却する必要が生じれば、5%目標に回せる数量は減少しかねない。
Bitmineの「ETH5%保有」戦略で重要なのは、単純な追加取得の規模だけではない。今後のステーキング報酬をどの程度保持するかに加え、イーサリアムの総供給量とステーキング利回りがどう変化するかが、目標達成のスピードを左右する見通しだ。
足元の保有量だけを見れば、Bitmineは5%目標まであと一歩の水準にある。追加取得が続けば差はさらに縮まる。ただ、ステーキング報酬を現金化せずに再投資の形で積み上げられるかどうかが、今後のETH保有戦略を占ううえでの主要な変数となりそうだ。