ナスダック上場の小型企業AIXCは、保有していた暗号資産を全て売却し、暗号資産を活用した財務戦略を終了した。今後はRoboShareを軸に、ロボティクス分野へ事業の軸足を移す。
ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、AIXCは9月4日、米証券取引委員会(SEC)に提出したS-1修正届出書で、資産売却と事業再編の方針を明らかにした。
同社は、暗号資産運用で約50%の含み損を抱えていたとしている。8月31日時点では、33.49BTC、497.56ETH、6325.92SOLを保有しており、これらを売却対象とした。Chainlink、BNB、ADAもあわせて処分した。
XRPについては、提出資料の中で保有額は「重要ではない」(immaterial)と説明した。主な損失要因は、ビットコインとイーサリアムの価格下落だったとしている。
資産売却後、AIXCは事業モデルも見直す。かつて医薬品事業を手がけていた同社は、暗号資産の整理を終えた上で、RoboShareプラットフォームを中心にロボティクス市場へ本格転換する計画だ。
暗号資産戦略の継続よりも、新たな中核事業への資源集中を優先した形といえる。
同様の動きは、ほかの小型上場企業でも見られる。東京拠点のRemixpointは、アジア市場でETH、SOL、DOGE、119万XRPを全て売却し、エネルギー貯蔵システムを購入した。一方で、バランスシート上にはビットコインのみを残した。
小型企業の間では、事業の正常化に向けてアルトコインの損失を確定する動きが続いている。
その一方で、機関投資家のアプローチは異なる。Kinetics Fundは同時期、SECへの提出を通じて、Ripple LabsのクラスA優先株を直接保有していると公表した。値動きの大きいトークンを取引所で購入するのではなく、発行体の株式を通じてXRP関連分野に投資した格好だ。
XRPを軸とする財務戦略を掲げるEverNoss(XRPN)の動きも対照的だ。EverNossはSPAC合併によるナスダック上場の準備を進める中でも、約4億7300万XRPをバランスシート上で保有し続けている。
一部企業がXRPを重要性の低い資産と位置付ける一方、別の企業は上場準備の段階でも大口保有を維持していることになる。
こうした動きからは、企業部門全体が暗号資産から一斉に撤退しているわけではないことも読み取れる。小型企業が運営リスクの圧縮を目的に保有を減らす一方で、他の企業や機関投資家は保有手段や投資対象を見直している。
AIXCの今回の売却は、暗号資産市場全体の後退を示すというより、含み損が膨らんだ小型上場企業が生き残りに向けて戦略を切り替えた事例と位置付けられる。