米財務省が7日(現地時間)、国債の買い戻しを本格化した。市場では、国債市場を通じた資金流動性の改善がビットコインやXRPなど暗号資産の相場を押し上げるとの見方が強まっている。ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、週次の買い戻し枠は145億ドルで、財務省の実施枠ベースでは最大165億ドル規模に達する可能性がある。
市場の関心は9日のオペに集まっている。財務省は同日、償還まで10〜30年の長期国債を対象とする買い戻し上限を、1回当たり20億ドルから40億ドルへ引き上げる予定だ。
9月に財務省が買い戻す国債の規模は、単月で約382億5000万ドルと示された。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は元本再投資計画に基づき、同期間に短期国債の買い入れへ最大21億2200万ドルを充てる見通しだ。
暗号資産市場では、こうした資金が主要銀行やディーラーを通じてリスク資産に向かうかを注視している。当局は数十億ドル規模の資金供給を通常の市場運営の一環と説明しているが、トレーダーの間では、財務省による旧債買い入れで市場に戻る現金が、長く持ち合いが続いた暗号資産相場を上放れるきっかけになり得るとの見方が出ている。
ビットコインは9月初旬時点で、心理的節目とされる8万ドルをわずかに下回る水準で推移している。市場では、7万9500〜8万2000ドルにかけて流動性が集中する価格帯があり、空売りの清算注文も厚く積み上がっているとみられている。
このため、9日に主要ディーラーの買いが強まれば、ショートポジションの強制清算が連鎖し、短期高値を再び試す展開もあり得るとの見方が浮上している。
XRPにも資金流入への期待が広がっている。XRPは1.45ドル近辺まで上昇し、機関投資家マネーの流入が過去最大水準に達したとの見方も出ている。米国のXRP現物ETFへの純流入額は16億6000万ドルを超えた。
市場では、新たに流入するドル資金がXRPの主要な上値抵抗線とされる1.70ドルの突破を後押しし、その先の心理的節目である2ドルに向かう流れをつくれるかに注目が集まっている。
もっとも、今回の措置を直ちに全面的な量的緩和とみなすことには慎重な見方もある。市場アナリストは、財務省の対応は新規の資金供給そのものではなく、長期債務を短期借り入れに置き換えることで、高止まりしている国債利回りの安定を狙うものだと指摘した。
スコット・ベセント財務長官が金利安定を図るなか、暗号資産市場は、その過程で生じる実際の現金流入がどの程度リスク資産へ波及するかを見極めようとしている。
政策面の材料も控える。15日には米上院がクラリティ法案の重要な採決を予定している。XRP市場では、この日程が今秋の主要材料の一つとして意識されており、流動性の流入と規制関連の日程が重なれば、相場変動が一段と大きくなるとの観測もある。
中期的にはリスク要因も残る。財務省の買い戻しが景気を過度に刺激した場合、FRBが想定以上に長く高金利を維持せざるを得なくなる可能性があるためだ。その場合、暗号資産市場の上値余地はかえって抑えられる恐れがある。
短期的な焦点は、9日に実際どれだけの資金が市場に放出され、その影響がビットコインとXRPの価格にどう表れるかだ。両資産の値動きは、2026年秋の暗号資産市場の方向性を占う重要な変数となりそうだ。