Naverは、カフェ投稿の無断収集への対策を強化するとともに、正式な検索APIで提供するデータについてもAI学習や回答生成、再販売に使えないよう利用制限を設けた。検索データやコンテンツの価値が高まるなか、外部利用の範囲を自社主導で管理する姿勢を鮮明にした形だ。
◆カフェ投稿の無断転載を抑止
Naverによると、最近、一部の外部サイトがNaverカフェに掲載された中古取引の投稿や各種情報投稿を自動収集し、自社サービス内に表示する事例が確認された。
例えば、カメラ売買のカフェに利用者が投稿した販売情報を外部サイトが取得し、「カメラ中古取引まとめ」のような形で見せるケースだ。利用者が当該投稿を選ぶと元のカフェ記事に移動するが、外部事業者は自ら利用者やコンテンツを集めることなくサイトを拡充し、検索流入やトラフィックを確保できる。
Naverは最近、カフェ内の告知を通じ、会員やカフェの同意なしに投稿やコメントを大量収集したり、外部サイトに転載したりする行為を禁止すると発表した。クローラーやボット、スクリプトによる自動収集のほか、非公式なデータアクセスや遮断措置の回避も禁止対象に含めた。
収集した文章を外部サービスに掲載したり、加工して再提供したりすることも認めない。すでにカフェデータを利用している事業者には収集停止と削除を求め、権利侵害が確認された場合は法的措置も検討する方針だ。
Naverは、今回の措置はAI学習対策そのものを狙ったものではないと説明している。利用者生成コンテンツに対するAIクローリングはすでに昨年から原則遮断しており、今回は直近で確認された外部サイトによる無断収集への対応という位置付けだ。ただしこれとは別に、正式な検索APIで提供するデータについても、外部AIでの利用範囲を制限する。
◆検索APIもAI学習・回答生成を禁止
Naver開発者センターの検索APIに関する改定規約は7日から施行される。改定後は、検索APIの利用目的をNaver検索結果の表示に限定する。
検索APIは、外部開発者がニュース、ウェブ文書、ブログ、カフェ、知識iNなど分野別の検索結果を自社のウェブサイトやアプリに呼び出すための仕組みだ。
改定規約では、検索APIで受け取ったデータをAIに入力したり、モデルの学習・改善・評価に利用したりする行為を禁止する。AIが生成する回答や結果に当該データを組み込むことも認めない。AIモデルを直接学習させない場合でも、利用者の質問に応じてNaver検索結果を都度呼び出し、回答を生成する方式まで制限する考えだ。
このほか、検索データの第三者への提供・販売、検索結果を表示するページでの広告掲載、検索APIを通じた別の収益化も禁止対象に加えた。単純な検索結果表示を超え、他サービスや別事業の資源として活用することに歯止めをかける。
Naverは検索APIの提供体制も見直している。7月には検索APIと検索語トレンド、ショッピングインサイトAPIの新規利用申請を停止し、Naver Cloudの「Naver API Hub」への移管を開始した。ショッピング、書籍、専門資料の検索APIは移管対象から外し、サービスを終了した。Naver API Hubでも20日から、AI利用制限などを盛り込んだ改定規約を適用する。
◆AI競争力を左右する検索・コンテンツデータ
Naverは2006年に検索APIを公開し、外部開発者が検索結果を自社サービスに連携できるようにしてきた。ただ、生成AIの普及に伴い、検索結果は単なる表示情報ではなく、AIの回答生成やモデル改善に活用される資源へと性格を変えつつある。
Naverも、データとコンテンツを自社AI競争力の中核と位置付けている。キム・グァンヒョン最高データ・コンテンツ責任者(CDO)は5月のメディアラウンドテーブルで、AIプラットフォーム競争の軸足がモデル性能からデータ品質とサービス競争力へ移っているとの認識を示した。
NaverのAI検索サービス「AIタブ」は、統合検索やショッピング、プレイス、ブログ、カフェなどに蓄積したデータを基に利用者の質問に答え、購入や予約までつなげる。検索・コンテンツデータが自社AIサービスの基盤である以上、外部AIによる回答生成やサービス開発への活用を制限する狙いがあるとみられる。
もっとも、Naverが検索データの外部提供を全面的に止めたわけではない。外部サービスで検索結果を表示する基本用途は維持しつつ、AI学習や別の収益事業での利用を制限した形だ。
業界関係者は「生成AIの拡大で、検索と利用者コンテンツはプラットフォームの中核資産になっており、データ開放の範囲も変わりつつある」としたうえで、「Naverは提供そのものを止めるのではなく、外部事業者によるAI利用や収益化の範囲を自ら管理しようとしているようだ」と話した。