Anthropic、Meta、Google、OpenAIがこの1週間で相次いで新たなAIモデルを発表し、企業の導入現場でいわゆる「AIモデル疲れ」が広がっている。更新ペースの加速を受け、経営陣やIT部門はコストと性能の見極めにこれまで以上の時間とリソースを割かざるを得なくなっている。CNBCが6日、報じた。
今週はAnthropicが「Claude Fable 5.1」と「Claude Mythos 5.1」を公開したほか、Metaは「Muse Spark 1.3」、Googleは「Gemini 3.8 Flash」を発表した。OpenAIも、サイバーセキュリティ機能とコンピューター操作能力を訴求した「GPT-6 Astra」を公開している。
NVIDIAは、オープンソースAIプラットフォームを手がけるHugging Faceを129億ドルで買収することで正式合意した。先月には、ノートPCやデスクトップの単一GPUで動作する「Nemotron 3.5 Lightning」も公開している。
業界では、こうした開発競争の背景に市場シェア争いがあるとの見方が出ている。ノートルダム大学メンドーザ経営大学院のアメド・アバシ氏は、主要な開発企業が互いに出遅れまいと競い合い、開発者に技術革新のスピードを示そうとしていると指摘した。そのうえで、これを「財布のシェア争い」と表現した。
Gartnerは、2026年のAI関連支出が2兆5900億ドルとなり、2025年比で47%増えると予測している。このうち半分超はインフラ向けが占める見通しだ。一方で、サービス、ソフトウェア、サイバーセキュリティ、モデル、そのほかのツールにも1兆ドル超が投じられるとしている。
こうした状況を受け、現場の負担は一段と重くなっている。AIスタートアップRunpodのジェン・ルーCEOは「モデル疲れは実際に存在する」と述べ、技術革新が続く一方で、注目を集めるための発信も増えていると語った。AI金融スタートアップFarsiteのCTO、ノア・ファロ氏は、主要企業が同じ週に更新を発表したのは偶然ではない可能性があるとみている。
企業側からは、相次ぐ更新をすべて検証するのは難しいとの声も出ている。Clockwork Systemsのスレシュ・バスデバンCEOは、特定業務向けにAIモデルを10種類評価する必要があっても、実際に絞り込めるのは5種類程度だと説明した。そのうえで、次々に登場するモデルを一つひとつ評価するのは非常に難しいと述べた。