韓国政府は27日、AI開発需要の高い「AI・高価値公的データTop100」の公開計画を1年前倒しし、2027年までに100種すべてを公開する方針を明らかにした。あわせて、独自AI基盤モデルの開発チーム向けに提供してきた公的データ・著作物のうち37種について、AI企業全般が活用できるよう公開対象を広げる。
ハン・ソンスク国務総理は同日、政府ソウル庁舎で第2回「データ関係長官会議」を主宰し、こうした公的データの公開拡大策を協議した。
政府は、AI開発需要が高く、社会・経済的な波及効果も大きい公的データ100種を選定し、「AI・高価値公的データTop100」事業として順次公開している。今回、この事業の完了時期を当初計画より1年前倒しし、2027年までに終える方針を示した。
公開実績は、昨年が10種、今年が25種。来年には残る65種を追加で公開する。当初は2027年に30種、2028年に35種をそれぞれ公開する計画だった。
政府によると、2015年から今年までに公開した高品質の公的データは累計267件に上る。これを基に民間サービス3625件が創出されたとしている。
活用事例としては、韓国交通安全公団の交通カード利用実績の合成データが、デマンド型交通の運営効果分析などに使われた。法制処の法令解釈事例や特別行政審判の裁決例は、リーガルテック企業による法務AIの学習データや回答の根拠として活用されたという。
政府は、独自AI基盤モデルの高度化に向けた公的データ・著作物の支援も拡大する。
これまで政府は、独自AI基盤モデル事業に参加する精鋭チームに対し、33の省庁・機関が保有する公的データ・著作物50種、約2393万件を提供してきた。これを受け、科学技術情報通信部と文化体育観光部は、追加要請を踏まえて関係省庁・機関が保有する公的データ・著作物102種を追加点検した。
その結果、各機関の政策資料や刊行物、各種委員会の議決書・審決書、事例集、一部資格試験の過去問題など、著作権や個人情報の面で問題がない37種について、AI企業全般が利用できるよう「公共ヌリAI類型」などに切り替えることを決めた。
公共ヌリAI類型は、公的著作物をAI学習に自由に利用できるようにするため、今年1月に新設された区分だ。今回の点検では、独自AI基盤モデルの精鋭チームに提供可能なデータは64種と確認され、このうち37種が一般のAI企業にも公開されることになった。
各省庁は今後、所管する公的著作物の公共ヌリ表示の状況を追加で点検し、AI類型の適用が可能な資料の発掘を進める。文化体育観光部は、公的著作物の公開拡大に向け、著作権法改正も推進する。
ハン国務総理は「公的データは長年にわたり経済・社会の全分野で蓄積されてきた、代替の利かない国家資産だ」と述べた。その上で「質の高い公的データをどこまで積極的に公開し、効果的に活用できるかが、グローバルなAI競争力を左右する」と強調した。
さらに「公的データは国民の税金で構築されたものであり、公開が原則だ」としたうえで、「民間の現場でもAI・AX向けデータを十分に活用できるよう支援していく」と述べた。