米証券取引委員会(SEC)は、投資助言会社と投資会社を対象とする暗号資産の保管規制の見直しに向け、新たな規則案をホワイトハウス行政管理予算局(OMB)に提出した。既存の保管規定の一部を改め、暗号資産の保管基準を明確にするのが狙いだ。
ブロックチェーンメディアのCoinPostが27日付で報じたところによると、SECは25日付で当該規則案を提出した。OMBの審査が終わり次第、規則案の具体的な内容が公表される見通しだ。
その後はSEC委員会の採決を経て正式に示され、60日を超える意見公募を実施した上で最終規則を確定する予定だ。
今回の見直しの柱は、投資助言会社と投資会社が顧客の暗号資産をどのような方法で保管すればSEC規則に抵触しないのかを、制度上明確にする点にある。
SECは現行規則について、市場構造や取引実務、保有慣行の変化に伴い、一部が実態に合わなくなっていると説明している。現在の枠組みでは、足元の暗号資産保管の実務を十分に反映できていないとの認識を示した形だ。
背景には、業界から当局への照会の増加がある。投資助言会社や投資会社は、顧客の暗号資産をSEC規則に違反せず保管する方法を巡り、当局に問い合わせを重ねてきたという。
SECは今回の規則案を、ポール・アトキンスSEC委員長が進める規制枠組みの現代化の一環と位置付けている。市場の変化に合わせ、保管規制の整理を進める姿勢を改めて示した。
詳細な条項はまだ明らかになっていないが、暗号資産を扱う登録投資会社に直接影響する可能性が高い。
このほかSECは18日、暗号資産関連の資金調達を巡る規制環境を見直す別の規則案「Regulation Cryptoasset」も公表した。1933年証券法に基づく登録義務の免除規定を新設する内容だ。
主な枠組みとしては、4年間で最大500万ドルの調達を認める「スタートアップ例外」と、12カ月ごとに最大7500万ドルの調達を認める「資金調達例外」が盛り込まれている。
一連の動きからは、SECが暗号資産市場全体を一律に引き締めるのではなく、保管や資金調達といった実務上の摩擦が大きい分野から制度整備を進めようとしていることがうかがえる。
とりわけ今回の保管規則案は、顧客資産の保管の適法性に直結する。OMB審査後に公表される条文の内容や、意見公募の過程でどのような修正が加えられるかが次の焦点となる。