BlackRockは、米国の財政赤字と債務負担を巡る懸念が強まるほど、Bitcoinや金といった代替的な価値保存資産への需要が高まりやすいとの見方を示した。暗号資産市場構造法案「Clarity法案」については業界全体にとって重要としつつも、Bitcoin単体への影響は相対的に小さいと位置付けた。
CoinPostが報じたところによると、BlackRockでデジタル資産部門を統括するロビー・ミッチニック氏は27日(現地時間)、CNBCのインタビューで、米国の財政悪化がBitcoinや金への投資需要を押し上げていると述べた。
ミッチニック氏は、米国の債務と財政赤字が市場で懸念材料となっていると指摘した。こうした財政不安が改めて意識される局面では、Bitcoinや金に資金が向かいやすい傾向があるという。ドル建て資産の購買力低下を懸念する投資家が、資金の逃避先としてBitcoinや金を選好する構図だと説明した。
こうした見方はBlackRockに限らない。スタンリー・ドラッケンミラー氏やレイ・ダリオ氏も、米国の財政状況が市場の構造的リスクになり得ると警鐘を鳴らしてきた。財政健全性への不安が強まるほど、伝統的資産以外の価値保存手段への関心が高まるという見立てだ。
ミッチニック氏はまた、米議会で審議が続く暗号資産市場構造法案「Clarity法案」にも言及した。同法案は暗号資産業界全体にとっては重要だが、Bitcoinそのものの投資判断に与える影響は相対的に小さいとの見方を示した。規制枠組みの整備と、Bitcoinを巡る投資テーマは切り分けて捉えるべきだとの認識を示した形だ。
直近のBitcoinの反発局面についても、ミッチニック氏は別の見方を示した。今回の持ち直しは、他の資産で投資家心理が悪化した局面ごとに繰り返されてきた過去のパターンと重なると説明。あわせて、Bitcoinは株式など他資産とは異なるリスク・リターン特性を長期的に示してきたと述べた。
もっとも、これらの発言はBlackRockがClarity法案に否定的だという意味ではない。BlackRockで市場開発をグローバルに統括するサマラ・コーエン氏は7月、同法案について「投資家を優先した規制フレームワークに向けた重要な一歩」と評価していた。
制度整備の必要性を認めつつも、法案審議の行方とは別に、Bitcoinへの投資需要を支えるマクロ要因は引き続き残る――。今回の発言は、少なくとも機関投資家の視点では、Bitcoinを規制動向だけで捉えるのではなく、米国の財政リスクに備える資産として見る考え方がなお有効であることを示している。