Hyperliquid Policy Center(HPC)と暗号資産デリバティブ運営企業TradeXYZは26日、米商品先物取引委員会(CFTC)に共同意見書を提出し、米規制市場で原油・天然ガスの無期限先物を扱えるよう制度整備を求めた。あわせて、24時間・週7日取引の枠組みや、証拠金としてのステーブルコイン活用も提案した。
意見書では、エネルギー分野の無期限先物を米国の監督下に組み込み、継続的に取引できる市場基盤を整える必要があると主張した。
無期限先物は、満期を設けずに取引を継続できるデリバティブで、暗号資産市場で普及した仕組みだ。資金調達料を通じて価格が原資産に連動するよう設計されており、両者はこの仕組みをデジタル資産にとどめず、原油や天然ガスなどエネルギー市場にも広げるべきだと訴えた。
その根拠として、HPCとTradeXYZは2月28日の中東での軍事衝突を例に挙げた。既存の原油先物市場が休場していた週末にも、Hyperliquid上の原油連動無期限先物は取引が続き、指標となる市場の再開前に価格変動の約3分の2がオンチェーン市場で先行して織り込まれたと説明している。
意見書には、取引インフラに関する提案も盛り込んだ。両者は、証拠金としてステーブルコインとトークン化された実物連動資産(RWA)の利用を認めるよう要請。取引、清算、決済にオンチェーン基盤を活用するには、規制面での明確な承認が必要だとした。
TradeXYZによると、2025年10月の運営開始以降、米国西部テキサス産原油(WTI)やBrent、ヘンリーハブ天然ガス関連市場での累計取引代金は5000億ドル(約75兆円)を超えた。エネルギー分野の無期限先物に一定の需要があることを示した格好だ。
米規制当局では、無期限先物を巡る制度設計の議論がすでに始まっている。CFTCは5月、暗号資産を原資産とする無期限先物の米取引所上場を初めて認めた。6月には、エネルギー分野の無期限先物と24時間取引に関する意見募集も開始しており、今回の意見書はその議論をエネルギー市場に広げるよう促す内容となっている。
HPCは24日、米証券取引委員会(SEC)とCFTCに別途意見書を提出し、無期限先物を原資産の種類にかかわらず「スワップ」ではなく「先物契約」として一律に分類するよう求めていた。過去の規制執行では無期限先物の法的位置付けが一貫せず、市場の不確実性を高めてきたと指摘している。
今後の焦点は、CFTCがエネルギー分野の無期限先物と常時取引をどこまで制度として認めるかにある。証拠金としてのステーブルコイン容認や、オンチェーン基盤を使った取引・清算・決済の扱いもあわせて議論される見通しだ。