Nvidiaはチップ販売にとどまらず、電力や用地、資金、AIモデル開発企業まで投資領域を広げている。写真=Shutterstock

Nvidiaは、今期残り期間に180億ドルの追加出資を実行する計画を明らかにした。投資対象はAIモデル開発企業にとどまらず、データセンター向けの電力や用地、さらには資金調達の枠組みにまで広がっており、AIエコシステム全体への関与を強めている。

米Business Insiderが26日(現地時間)に報じたところによると、NvidiaはAIモデル開発企業やインフラ向け資金調達を手掛ける企業など、主に非上場企業を対象に投資コミットメントを積み増している。

Nvidiaは26日の決算発表で、今期残り期間に180億ドルの株式投資コミットメントがあると公表した。7月末時点の非上場企業への投資資産は479億ドルで、前期末の223億ドルから2倍超に増えた。

足元では、M&Aよりも出資と提携を軸に動いている。投資メディアInvestorPlaceのチーフテクノロジーアナリスト、ルーク・ランゴ氏は、技術ライセンスの確保や人材獲得、少数持ち分投資は、買収に伴う規制審査や統合負担を抑えるうえで有効だと指摘した。

8月には、データセンター向けの用地・電力不足への対応をにらんだ投資も打ち出した。SB Energyに15億ドルを投じ、Cloverleaf Infrastructureの持ち分も取得した。両社はいずれも、データセンター向けの電力と用地の確保に関わる企業という。

資金面での関与も広げている。Nvidiaはウォール街の金融機関と組み、AIインフラ向けに5000億ドル超の外部資金を組成する枠組みに参加した。

また、コーディング関連スタートアップのPoolsideと数十億ドル規模の契約を締結した。さらに、AI検索スタートアップのPerplexityや、推論チップを手掛けるスタートアップRebellionsへの出資や取引も検討していると伝えられている。

既に発表済みの案件も実行段階に入っている。Nvidiaは26日、12月に公表したAIハードウェアのスタートアップGrokとの取引に関連し、現金29億4000万ドルを支払ったと開示した。

一方、こうした積極投資にはリスクを指摘する声もある。主要顧客であるAmazon、Google、Microsoftが自社チップ開発を拡大するなか、Nvidiaはインフラ、ソフトウェア、AIモデルの領域にまで踏み込んでいるためだ。

ルーク・ランゴ氏は、Nvidiaが同じ企業にチップを供給する一方で資金も投じ、株主としても関与していると説明した。そのため、需要が減速した場合には、売上高と投資資産の価値が同時に打撃を受ける可能性があると指摘した。

これに対し、Nvidiaはこうした見方を否定した。最高財務責任者(CFO)のコレット・クレス氏は決算説明会で、いわゆる循環的な金融スキームとの指摘について「われわれは異なる見方をしている」と述べた。

クレス氏は、需要の強さやNvidiaが生み出す事業機会、同社プラットフォーム上で広がるエコシステム、投下資本に対する持ち分利益などを踏まえれば、これらの投資は非常に有望で、リスクは限定的だとの認識を示した。

Nvidiaの投資拡大は、AI市場の主導権争いがチップ性能だけでなく、電力、用地、資金調達、ソフトウェア、AIモデル開発企業へと広がっていることを映し出している。今後は、今期残り期間の追加資金をどの企業に振り向けるのか、また投資拡大が売上基盤の維持とエコシステム強化につながるのかが焦点となりそうだ。

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