Bitcoin 写真=Shutterstock

Bitcoinが8万ドルを突破した後に7万8000ドル台まで反落し、暗号資産市場では24時間で3億2440万ドル規模の清算が発生した。市場では清算額そのものよりも、相場上昇局面でロングポジションへの傾斜が強まっていた点に注目が集まっている。

26日付のCryptoSlateによると、今回の清算の大半はロングポジションだった。前週はショートポジションの清算が上昇相場を加速させたが、足元では様相が一変した。

CoinGlassの集計では、直近24時間の清算件数は約8万件。このうちロングの清算額は約2億7000万ドルに上った。Binanceでは1191万ドル相当のBitcoinポジションが、最大の単独清算となった。

銘柄別では、Bitcoinのロング清算が約1億900万ドル、Ethereumが約7000万ドルだった。XRPとZcash(ZEC)でもロング清算が膨らみ、それぞれ約1600万ドル、1100万ドルに達した。

市場が警戒するのは、清算規模よりもポジション構造の変化だ。前週にBitcoinがもみ合いレンジの上限を上抜けた局面では、下落を見込んだ投資家のショートポジションが相次いで清算された。マーケットメイクのWintermuteは、当時の清算の約92%がショートポジションだったと分析している。

その局面では、暗号資産投資商品に26億ドルが流入し、相場上昇を後押しした。

一方、足元ではロングを中心にレバレッジが再び急速に積み上がっている。ETFへの資金流入が一服するなかでも、Bitcoinがレンジ下限を維持したことで投資家心理は強気に傾いた。Wintermuteは、こうしたポジションの積み上がりのスピードが、前回のスクイーズ局面に近いと警告している。

ショートカバーによる上昇の勢いが一巡した後は、より高い価格帯でも流入する現物需要が相場を支えられるかが重要になる、との見方だ。

Alphractalの最高経営責任者(CEO)、ジュアン・ウェドソン氏も、Bitcoinのロングスクイーズリスクが高まっていると指摘した。ロングへの集中が進むなか、複数の取引所でファンディングレートはプラス圏を維持しているという。

ファンディングレートがプラスであることは、レバレッジをかけたロング保有者がショート保有者に資金を支払う状態を意味し、先物市場が一段高を見込む方向に傾いていることを示す。こうした局面で相場が急落すると、ロング清算が連鎖し、下押し圧力が強まる可能性がある。

今回の調整は、その初期兆候との見方が出ている。ただ、Bitcoinが7万9000ドル近辺まで持ち直したことで、清算の影響は明確なトレンド転換にはつながっていないとの見方もある。

今後の焦点は、8万ドルを上回る水準で現物需要とETF資金流入が利食い売りをどこまで吸収できるかだ。

Bitcoin現物ETFは直近7取引日連続で純流入となり、25億ドル超を集めた。この資金流入は、月初に約6万2000ドルだったBitcoinが一時8万ドルまで上昇した背景の一つとされる。

Wintermuteは、今後のETF資金フローが、今回の上昇がより強固な現物需要に支えられているかを見極める材料になるとみている。逆に、週次でETF資金が純流出に転じ、Bitcoinが従来のレンジだった6万7000ドルを終値ベースで再び下回れば、市場が慎重姿勢に傾く可能性があるとした。

オンチェーン指標と需給データは、なお上昇シナリオを完全には否定していない。CryptoQuantは、直近30日でBitcoinの総需要が約17万BTC増加したと集計した。

現物と先物の需要がそろって拡大する動きは、過去の強い上昇局面でもたびたび確認されている。ただ、先物のエクスポージャー拡大が現物買いを上回るペースで進めば、市場が不安定化する余地は残る。

今後は外部材料も相場変動要因となりそうだ。9月9日には米財務省による長期国債買い入れ拡大、9月15日にはクラリティ法案の終結投票、9月16日には米連邦準備制度理事会(Fed)の金融政策決定が予定されている。

結局のところ、今回の8万ドル割れが過度なレバレッジを解消する一時的な調整にとどまるのか、それともより広範な売り局面の入り口となるのかは、現物買いとETF資金流入が持続するかどうかにかかっている。

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