ビットコインは8万ドル台への定着に苦戦している。反発基調は維持しているものの、長期保有者を中心とする利益確定売りを市場が吸収し切れておらず、今後は米国の現物需要や現物ETFへの資金流入が上値を支えるかが焦点となる。
26日のCointelegraphによると、足元のビットコイン相場では、含み益を抱えた投資家の売りが重荷となっている。焦点は、利益確定売りの増加と、それを受け止める新規需要のバランスに移っている。
CryptoQuantのデータでは、長期保有されてきたビットコインの移動がオンチェーン上で再び活発化した。特に22日時点では、コインの実現損益を示すSOPRが1.48まで上昇し、利益が出た状態で移動したコインの増加を示唆した。
長期保有者の利益確定の勢いが、一時的に短期保有者を上回る場面もあった。ビットコインが7万9500ドル近辺で横ばい圏にあった当時、短期保有者と長期保有者のSOPRを比較した比率は1.4に達し、7月25日以降で最も高い水準を付けた。
CryptoQuantは、この動きについて、長期保有者が短期保有者より相対的に高い水準で利益を確定したことを意味すると説明した。
もっとも、その後この比率は0.93まで低下した。長期保有者の大規模な利益確定が本格的な拡大局面に入ったとまでは言い切れないが、含み益を抱える投資家全体にはなお売却余地が残る。
市場の重荷となっているのは、多くの保有者層が利益圏にあることだ。CryptoQuantは、現在はほぼすべての保有者層がおおむね含み益の状態にあるとしたうえで、一段高には継続的な買い需要が欠かせないと分析した。
重要なのは、ビットコインが一時的に8万ドルを上抜けるかどうかではなく、含み益を持つ保有者の売りを新規需要が吸収できるかどうかだという。
需要面の受け皿として注目されるのが、ビットコイン現物ETFへの資金流入だ。一方、CoinbaseとBinanceの価格差をもとに米国勢の需要の強さを測る「コインベース・プレミアム」を見ると、米国投資家の買いはまだ明確には戻っていない。
ビットコインが7万8500ドルを上回った局面では、コインベース・プレミアムが時間ベースで一時的に0を超えた。ただ、全体ではマイナス圏にとどまった。この指標は2026年に入ってからおおむねマイナスで推移しており、26日時点でもマイナス0.015だった。
8月初旬のマイナス0.094からは改善したものの、米国需要の本格回復を示すにはなお力不足との見方が出ている。
CryptoQuantは、コインベース・プレミアムが0を上回った後もプラス圏を維持できるかが次の重要なシグナルになると指摘した。ビットコインが持ち直し基調を保つ中で同指標がプラス転換すれば、市場は売り圧力の緩和局面を超え、現物需要が本格的に戻る段階に入る可能性があるという。
結局のところ、ビットコインの当面の方向感は価格水準そのものより需給に左右されそうだ。長期保有者を含む含み益層の売りが市場に出る中、米国の現物需要とETF資金がそれをどこまで吸収できるかが、8万ドル台定着の分岐点として浮上している。