CryptoQuantは29日公表の週間リポートで、ビットコインとイーサリアムはいずれも明確なトレンドを形成できず、様子見ムードが続いているとの見方を示した。取引所への流入は低水準にとどまり、先物市場の指標も中立圏で推移している。市場では、資金調達率の変化と9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)が次の方向性を左右する材料として注目されている。
ブロックチェーンメディアのCoinPostが31日(現地時間)、この内容を報じた。リポートによると、取引所流入が低水準にとどまっていることから、足元で急激な売りは目立たない。一方で積極的な買いも限られており、市場は全体として均衡状態にあるという。
ビットコインではショート(売り)ポジションがやや優勢だが、下落を強く見込む動きは確認されていない。ショートが小幅に増えた局面でも、価格は6万2000~6万3000ドルのレンジを繰り返し維持した。CryptoQuantは、市場が下方向に大きく傾いている状況ではないと分析している。
一方、イーサリアムはやや異なる値動きを示した。1880ドル近辺ではロング(買い)ポジションの利益確定が続いたものの、ショートが相場を主導しているわけではないとした。新たな下落を見込んだ売りよりも、既存ポジションの縮小が中心だったという。
先物市場の指標も、方向感の乏しい地合いを映している。ビットコイン、イーサリアムともにテイカー買い・売り比率は1.0前後で推移し、売買が拮抗する中立圏を維持した。現物、先物のいずれでも、一方向への明確な偏りは見られなかった。
もっとも、ロング需要が完全に失われたわけではない。ビットコインの資金調達率は取引所全体ベースで約0.006%、Deribitのイーサリアム資金調達率は約0.0011%と、いずれもプラス圏を維持した。資金調達率は2025年6月初旬以降、プラス圏で推移しており、ロング選好が続いていることを示唆している。
CryptoQuantは一方で、潜在的なリスクにも言及した。資金調達率が高水準のプラスで長期間推移した場合、ロングが過度に積み上がり、相場が不安定化しやすくなる可能性があるという。逆に資金調達率がマイナスへ転じれば、ロングの清算が急速に進み、ボラティリティが拡大する恐れがあると分析した。
現物市場では、足元で明確な売り圧力は確認されていない。ビットコインの1日当たりの取引所流入は約7400BTC、イーサリアムは約27万4000ETHと、いずれも年初来の低水準にとどまった。
CryptoQuantは、米連邦準備制度理事会(Fed)による政策金利の据え置き見通しを市場が相当程度織り込んだ結果だと説明した。実際、7月のFOMCでは政策金利が年3.50~3.75%に据え置かれた。採決は9対3で、3人の地区連邦準備銀行総裁が利上げを主張して反対票を投じた。
市場の関心は、9月FOMCで金融政策の方向性がどう示されるかに移りつつある。
オンチェーン分析のGlassnodeも同日、取引所への入金減少について、市場の「無関心」を示すシグナルの一つだと指摘した。出来高が細る静かな相場は、弱気相場の中盤でしばしば見られるパターンだとしている。
現時点では、ビットコイン、イーサリアムともに強い売り圧力は限られる一方、上昇トレンドをけん引する新たな買い材料にも乏しい状況が続く可能性が高い。資金調達率の変化と9月FOMCの結果が、両資産の次の方向性を見極めるうえでの主要なポイントとなりそうだ。