Cardanoエコシステムで、ADA価格が5ドルに達するための条件として、創業者チャールズ・ホスキンソン氏のDRep登録と、大口投資家による10億ADAの購入を求める提案が浮上した。分散型ガバナンスの担い手をどう構成するかが論点となっている。
ブロックチェーン専門メディアThe Crypto Basicが30日(現地時間)に報じたところによると、Cardano関連プロジェクト「SongMarketCap」の創業者ユレ・カラマルコ氏は、ADAの上昇にはガバナンス構造の見直しが必要だと主張した。
同氏はまず、ホスキンソン氏が速やかにCardanoの委任代表(DRep)として登録すべきだと提案した。DRepは、ADA保有者から議決権の委任を受け、エコシステムの意思決定に参加する役割を担う。
あわせて、大企業やベンチャーキャピタル(VC)、影響力の大きい投資家が現在の価格水準で10億ADAを購入し、DRepとして登録することも求めた。
提案の柱は、ガバナンスの性格そのものを変える点にある。カラマルコ氏は、起業やチーム運営、事業拡大の実績を持つ経営人材が、Cardanoの意思決定により深く関与すべきだと訴えた。
そうした人材の参画によってリーダーシップが強まり、新たな資金流入も見込めるとし、経験豊富な事業リーダーがCardanoの将来像の形成に乗り出した段階で、ADAの5ドルに向けた上昇トレンドが始まるとの見方を示した。
一方で同氏は、既存のDRepの一部には批判的な姿勢も示した。数十億ドル規模のブロックチェーンネットワークの将来を左右する場面で、実際に事業を成功させた経験のない個人が大きな影響力を持つのは適切ではない、というのがその理由だ。
今回の提案は、Cardanoがボルテール段階で分散型ガバナンスの拡張を進める局面で浮上した。現在は、ADA保有者が議決権をDRepに委任し、意思決定に参加できる仕組みの整備が進んでいる。
こうした中、ホスキンソン氏自身も、Cardanoエコシステム内で政治団体のような枠組みを立ち上げ、DRepとして活動する意向をすでに示している。直近ではコミュニティに構想への支持を呼びかけ、ネットワークを巡るシニシズムや悲観論を払拭したい考えを明らかにした。
コミュニティの反応は割れている。賛成派は、大企業や機関投資家、VCがガバナンスに参加すれば意思決定の重みが増し、機関マネーの流入にもつながる可能性があるとみている。
その背景には、CardanoがEthereumやSolanaといった競合ブロックチェーンに比べ、これまでVC資金の呼び込みで見劣りしてきたとの見方がある。
これに対し慎重派は、大口投資家の参入によって利益相反がむしろ拡大する可能性を懸念する。巨額の資金を投じた投資家が、エコシステム全体よりも自らの収益最大化を優先する方向に意思決定を誘導しかねないためだ。
最近のガバナンスを巡る対立の過程では、既存のエコシステム組織が十分なリーダーシップを発揮してきたのかについても、懐疑的な見方が出ている。
もっとも、提案の象徴性とは別に、価格面のハードルは高い。ADAは現在約0.1626ドル(約24円)で推移しており、5ドル(約750円)は過去に一度も到達していない水準だ。
この水準に達するには、現在値から約2975%の上昇が必要になる。
今回の議論は、単なる価格予想というより、Cardanoのガバナンスを誰が主導するのかという問題に近い。カラマルコ氏は、強いガバナンスと機関投資家の参加拡大が長期見通しの改善につながると訴える一方、5ドル到達の可否は市場環境やネットワーク採用、エコシステム成長の持続性にも左右される。