Meta PlatformsとMicrosoftの株価が、決算発表後の時間外取引で対照的な動きを見せた。Metaは広告事業の成長を示した一方、AI投資の拡大に伴うキャッシュフロー悪化が警戒され、一時10%近く下落した。これに対しMicrosoftは、AzureとMicrosoft 365 Copilotの実績や収益化の見通しが評価され、8%近く上昇した。
Business Insiderが30日付で報じた。市場の関心は、単純な業績の強弱よりも、AI投資がどこまで収益に結び付いているかに集まった。
Metaは、AIが広告事業の拡大に寄与していると説明した。第2四半期は広告売上高が27%増え、広告表示回数は14%増、平均単価も12%上昇した。
ただ、市場は成長率そのものより、AI投資がキャッシュフローを圧迫する度合いを重くみた。MetaのAI関連支出は311億ドルと前年のおよそ2倍に膨らみ、フリーキャッシュフローは85億5000万ドルから7億8400万ドルへ大きく減少した。
アナリストの1人はMetaのAI戦略について、「壁にスパゲティを投げているようだ」と評した。投資家の間で、支出拡大が確度の高い成長投資というより、不確実性の高い賭けと受け止められたことをうかがわせる。
一方、前日に決算を発表したMicrosoftに対する市場の反応は異なった。AzureとMicrosoft 365 Copilotの成果を示したうえで、AI関連の投資計画も従来見通しから据え置いた。
市場は、コスト管理に加え、収益化の可視性が高い点を評価した。Microsoft株は時間外取引で8%近く上昇した。
両社の差は、AI支出の多寡そのものではない。支出がどこまで直接的かつ測定可能な成果に結び付くかが、株価反応を分けた格好だ。
Metaは、AIが広告事業を押し上げていると説明したものの、投資家には十分な材料とは映らなかった。
マーク・ザッカーバーグCEOは決算説明会で、AI投資の回収にはより長い時間が必要だとの見方を示した。AIの最も即効性のある用途は開発者向けに多く、消費者向けサービスは立ち上がり方が異なるとの認識も示した。
その一方で、消費者向けAI市場については「巨大な市場機会」だと強調した。
Metaは、Facebook、Instagram、WhatsApp、Threadsといった数十億人規模の利用者基盤を背景に、AIエージェントへの大規模投資を進めている。既存のソーシャルネットワーク基盤を生かし、消費者向けAI市場を先取りする構想だ。
もっとも、課題もある。利用者基盤の大きさとは別に、AIに対する大衆の警戒感は根強い。米国内でもAIへの不安は小さくないと指摘されている。
Metaもこうした状況を意識し、ザッカーバーグ氏の寄稿やメディアインタビューなどを通じて、発信強化を進めているという。
今後、Metaが投資家の信頼を取り戻すには、広告以外の事業や消費者向けサービスで、AIがどのように実質的な収益を生み出すのかを、より明確に示す必要がある。市場は長期ビジョンよりも、足元で確認できる成果を重視している。