ビットコインで、オンチェーン指標の改善と低ボラティリティを背景に、相場が次の値動きに向かう可能性が意識されている。価格は足元で軟調に推移しているものの、ネットワーク活動やボラティリティ指標には変化の兆しが出ている。
The Crypto Basicが30日(現地時間)に報じたところによると、足元のビットコイン相場は上値の重い展開が続く一方、市場内部の指標は次の変動局面に向けた準備が進んでいる可能性を示している。
CryptoQuantのアナリスト、CryptoOnchainは、ビットコインが28日に6万3850.66ドルで取引を終えたと指摘した。7月21日に付けた直近高値の6万6520ドルを下回る水準だが、ブロックチェーンデータからは、価格動向とは別に市場内部のシグナルが改善していると分析した。
注目されているのはNVTゴールデンクロスだ。これはビットコインの時価総額とネットワーク上の取引活動を比較し、ネットワーク利用に対する時価総額の過熱感や割安感をみる指標とされる。NVTゴールデンクロスは90日平均を429%上回り、直近1週間で34.7%上昇して0.36となった。
CryptoOnchainは、ネットワーク活動の伸びが価格上昇を上回る局面では、割安を示す可能性があると説明した。一方で、この指標だけで今後の値動きを断定すべきではないとも強調した。過去の市場サイクルでは、同指標の上昇が相場回復と重なった例もあるが、単一指標だけで方向性を見通すのは難しいという。
取引所フローは方向感を欠いた。Binanceでは27日に5124BTCが流出した一方、翌28日には1109BTCが流入した。投資家が明確に買いまたは売りに傾いたというより、持ち高調整の動きが出たとみられる。CryptoOnchainは、こうした急速な反転が短期的な不確実性を高め、次の値動きの見通しを難しくすると説明した。
短期需給にも力強さは見られなかった。ビットコインは6万4500ドル近辺で推移し、Binanceの資金調達率は0%近辺にとどまった。これは先物市場で過度なレバレッジが積み上がっていないことを示すシグナルとされる。Coinbaseプレミアムもマイナス0.11まで低下し、直近2週間で最低水準を記録した。米国投資家の需要が他市場に比べて弱いことを示していると受け止められている。
CryptoQuantの別のアナリスト、RugarResearchは、低ボラティリティが大きな価格変動の前触れになり得るとみている。ビットコインの実現ボラティリティはサイクル安値水準まで低下し、狭いレンジでの取引が続く中、トレンドの強さを示すADXは緩やかに上昇した。ただ、これらの指標だけでは、次の動きが上方向か下方向かまでは示さないと付け加えた。
過去にも、低ボラティリティ局面の後にビットコイン価格が大きく動いた例はある。当面の市場では、ブレイクの有無に加え、上放れか下放れかの方向感を見極める展開となりそうだ。どの指標が先に変化を示すのかにも注目が集まる。