画像は「Grand Theft Auto VI」の公式カバーアート(Rockstar Games提供)

Rockstar Gamesの「Grand Theft Auto VI(GTA6)」が11月19日に発売される。世界的な大型タイトルの投入を前に、韓国ゲーム各社では下期の新作戦略を見直す動きが広がりそうだ。コンソール/PC市場への展開を強化してきた各社にとって、発売時期やマーケティング費用の配分を再検討する要因となっている。

◆13年ぶりの正式続編、市場インパクトは突出

Rockstar GamesはGTA6をPlayStation 5、Xbox Series X|S向けに11月19日発売する。2013年発売の「GTA5」以来、13年ぶりの正式続編となる。

Take-Two Interactiveは5月の決算発表で、「GTA5」の累計販売本数が約2億3000万本、シリーズ累計では4億4000万本を超えたと明らかにした。

発売前の市場予測も異例の規模だ。市場調査会社Newzooは、GTA6の予約販売初週におけるデジタル支出が、米国と欧州の主要市場だけで約1億8000万ドルに達し、集計対象外の地域を含めると最大2億6000万ドル規模になる可能性があると試算した。

発売初週の売上高は33億~52億ドル、販売本数は最大5100万本に達するとの見方もある。

あくまで予測値ではあるものの、単一タイトルが発売直後に世界の消費支出とメディアの関心をどこまで集め得るかを示す数字といえる。

◆懸念は販売競争より「注目の集中」

GTA6と発売時期が重なる可能性がある韓国タイトルとしては、NCの「Sinder City」、Kakao Gamesの「ArcheAge Chronicle」「God Save Birmingham」、Netmarbleの「EvilBane」などが挙がる。Kakao Gamesの2作品は第4四半期発売予定で、NCとNetmarbleの新作も下期投入を目標としている。市場では、各社が日程調整に動くかどうかに関心が集まっている。

パク・ビョンムNC共同代表はこれまでに、「競合作であるGTA6の発売日程によっては、当社新作のスケジュールも影響を受け、調整する可能性がある」との認識を示している。

各社が警戒するのは、単純な販売本数の競争だけではない。発売初期のレビュー、動画配信、コミュニティでの話題がGTA6に集中すれば、他タイトルは初動の露出が埋もれる恐れがある。

発売時期が重なれば、同水準の注目を確保するために広告宣伝費の積み増しが必要になる可能性もある。インフルエンサーやストリーマーを通じた露出確保も難しくなりやすい。ジャンルが異なっていても、ユーザーの限られた可処分時間とコンテンツ消費を奪い合う構図になるためだ。

影響の大きさは、プラットフォームとターゲット市場によって異なる見通しだ。韓国国内向けのモバイルMMORPGや収集型RPGは、GTA6とユーザー層が直接重なる度合いが比較的小さいとみられている。

一方、北米・欧州を主戦場とするコンソール/PC向けタイトルは、購入予算やプレイ時間を巡ってより直接的な競争にさらされる可能性が高い。韓国各社がGTA6を強く意識する背景には、国内市場よりもグローバル市場での発売初期の成果が重要になっている事情がある。

海外では、真正面からの競合を避ける動きも出ている。MicrosoftはオープンワールドRPG「Fable」の発売を来年2月に延期しており、市場ではGTA6との時期重複を避ける狙いとの見方が出ている。

「Call of Duty: Modern Warfare 4」も10月23日の発売を決め、GTA6と発売日が直接重ならない日程を選んだ。

もっとも、すべてのゲーム会社が単純に延期を選ぶわけではない。業界では、多くの企業が一斉に発売時期を調整すれば、今度はGTA6の前後に国内外の新作が集中し、競争がかえって激しくなるとの指摘もある。発売日の変更だけで販売面の負担が解消されるわけではない、という見方だ。

◆一律回避は不要との見方 コンソール市場拡大への期待も

市場の見方は警戒一辺倒ではない。GTA6が発売時点ではPC版を用意しない点は、韓国企業にとって一定の緩衝材になり得るとの指摘もある。韓国ゲーム各社の多くはPCとコンソールのマルチプラットフォーム戦略を採っており、PCユーザー全体が一斉にGTA6へ流れる状況にはなりにくいという分析だ。

むしろ、GTA6をきっかけにコンソール市場の裾野が広がれば、中長期的には韓国各社にとって追い風になる可能性もある。調査会社YouGovが米国のPC・コンソールゲーマー760人を対象に実施した調査では、最新コンソールを保有していないユーザーの33%が「GTA6のために新しいコンソールを購入する可能性がある」と回答した。新たに流入するコンソールユーザーを、今後どこまで自社タイトルに取り込めるかが次の焦点となる。

韓国コンテンツ振興院の「2025大韓民国ゲーム白書」によると、2024年の韓国内ゲーム市場売上に占めるコンソール比率は5%にとどまった。国内市場への直接的な影響は限定的との見方がある。

その一方で、2024年の韓国ゲーム輸出に占める北米比率は19.5%と、前年から4.7ポイント上昇した。国内ではコンソール比率が低い一方、各社が新たな成長先として狙う海外市場では、GTA6の中核需要層と重なる領域が大きい。

このため、韓国ゲーム各社にとっての主要な変数は、国内売上の侵食よりも、グローバル展開における初動の話題性とマーケティング効率になりそうだ。

業界関係者は「GTA6とジャンルが直接競合しなくても、発売初期には購入予算やプレイ時間、配信での露出が一作品に集中しやすい」と指摘する。その上で、「一律に発売を後ろ倒しするのではなく、作品の完成度や中核ユーザー層、プラットフォームごとの影響度を踏まえて投入時期を判断すべきだ」と話している。

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