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Ars Technicaは29日(現地時間)、AnthropicのAIモデル「Mithos」が、耐量子計算機暗号(PQC)の候補アルゴリズム「HAWK」に根本的な弱点を見つけたと報じた。

これを受け、HAWKの開発チームは、米国立標準技術研究所(NIST)の標準化手続きから同アルゴリズムを自主的に撤回した。

報道によると、今回の成果は既存の暗号システムを直ちに脅かすものではない。一方で、AIが暗号研究において重要な役割を担い始めていることを示す事例だとしている。HAWKは、NISTが次世代の耐量子計算機暗号の候補として評価していたデジタル署名アルゴリズムで、すでに2段階の評価を通過し、第3段階の詳細な脆弱性検証に入っていた。

Mithosは、HAWKに対する既存の攻撃手法を改良し、有効鍵長を半減させる手法を示した。

その結果、HAWKは想定された安全性要件を満たせなくなり、開発チームは標準化手続きからの撤回を決めた。

もっとも、Mithosが新たな数学的手法を生み出したわけではない。既存の暗号技法を、研究者が想定していなかった形で組み合わせたものだ。ジョンズ・ホプキンス大学の暗号学教授、マシュー・グリーン氏は、この点を特に注目すべきだと評価した。AIが新理論を提示したのではなく、既知の手法を予想外の形で組み合わせて成果を上げたためだ。

Anthropicは今回の結果について、現在使われている暗号標準が破られたことを意味するものではないと強調した。検証は研究目的で特別に用意した試験用バージョンで行われ、攻撃自体にも莫大な計算資源が必要なため、現実の運用環境で成立するものではないと説明している。

その一方で同社は、大規模言語モデルの暗号解析能力が急速に向上していることを示す兆候だとの認識を示した。

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