中国のHongqiは29日、Lishen Batteryと共同開発した試験用バッテリーで、充電率10〜70%を3分41秒、10〜97%を8分3秒で充電したと発表した。中国EV各社が「5分充電」を競うなか、4分を切る数値を打ち出した格好だ。
米EV専門メディアInsideEVsによると、試験は摂氏25度の環境で実施した。中国EV業界では昨年、「5分充電」が新たな競争軸として打ち出されたが、足元ではそれをさらに上回る充電性能のアピールが相次いでいる。
今回の発表で注目されるのは充電レートだ。Hongqiは、この試験用バッテリーが最大12Cの充電に対応すると説明した。80kWhのバッテリーに置き換えれば、理論上の最大充電電力は約960kWに相当する。新たな負極材や電解液、カーボンコーティング工程の採用で内部抵抗を抑え、液冷方式によって充電中のパック内温度差を約14.8度以内に保ったとしている。
もっとも、今回の結果はあくまで試験用バッテリーによるものだ。Hongqiは電池容量、最大充電電力、電池の化学組成を公表していない。搭載予定車種や市販車への適用時期も明らかにしておらず、現時点では管理条件下での試験結果にとどまる。
そのため、市場の関心は記録そのものより、量産車で再現できるかどうかに移りつつある。Hongqiは、BYDやZEEKRのように量産車ベースでの実証にはまだ踏み込んでいない。
競合各社はすでに量産化を見据えた超急速充電の実証を進めている。BYDは昨年、1MW級の充電システムをデモし、量産型セダン「Han L」のバッテリーに5分未満で50%超を充電した。「Super e-Platform」は最大1000kWの充電に対応し、5分の充電で約250マイル(約400km)の走行距離を確保できるとしている。
CATLも、より速い数値を示している。第3世代のShenxingリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーでは、10〜80%の充電時間を3分44秒、98%までを6分27秒としている。超急速充電を1000回繰り返した後でも、元の容量の90%超を維持できると主張した。
Geely系ブランドも追随する。準大型セダン「Lynk & Co 10」は10〜70%を4分22秒、97%までを8分42秒で充電するデモを実施し、瞬間最大電力は約1100kWに達した。ZEEKRも改良版「001」で、約4〜80%を7分以内で充電できるとし、最大電力は1.3MW超に達したとアピールしている。
超急速充電は乗用車にとどまらず、商用車にも広がっている。CATLは最近、商用車向けの新型バッテリーについて、20〜80%を7分未満、満充電まではさらに2分程度で可能だと明らかにした。
Hongqiの今回の発表は、中国EVメーカー間の充電競争が一段と激しさを増していることを示した。ただ、今後の焦点は試験室での記録ではなく、その性能を実車と実際の充電インフラ環境で再現できるかどうかにある。