米資産運用大手Vanguardが、Bitcoin関連銘柄への間接投資を広げている。29日までに、同社の主力インデックスファンド「Vanguard Total Stock Market Index Fund(VTSAX)」を通じ、Strive Asset Management株を買い増したことが分かった。
ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、VTSAXはStrive Asset Management株を26万9200株追加取得した。追加取得分の規模は約320万ドル(約4億8000万円)。
この結果、同ファンドのStrive株保有は計198万株となり、保有評価額は約2370万ドル(約36億円)に達した。機関投資家の資金がBitcoin現物に加え、Bitcoinと連動性の高い上場企業にも向かっていることを示す動きとみられている。
市場では、伝統的な資本市場を通じたBitcoinエクスポージャー拡大の兆候として受け止める見方が出ている。The Bitcoin Wayの市場調査責任者ジョー・バーネット氏は、「世界の資本の大部分はパッシブ運用で、市場の資本配分をそのまま追随している」とした上で、「世界は気付かないうちにBitcoinを保有し始めている」と述べた。
今回の買い増しは、Vanguardの従来姿勢と比べると変化の大きさが際立つ。Vanguardは2024年初め、ティム・バックリーCEOの在任時に、自社ブローカレッジ・プラットフォームで顧客によるBitcoin現物ETFの購入を認めなかった。
その後、BlackRockでBitcoin現物ETF「IBIT」の立ち上げを主導した経歴を持つサリム・ラムジ氏が新CEOに就任。市場ではこれを、デジタル資産分野に対する姿勢変化のシグナルと受け止める向きがあった。
実際、方針転換も進んだ。Vanguardは2025年末、暗号資産ETFに関する制限を解除した。一方で、自社で暗号資産の投資商品を組成する計画はないとの立場も示しており、投資手段としての受け入れと商品提供は切り分けている。
こうした流れの中、Vanguardは2026年に入ってから、Bitcoinを財務戦略に組み込む企業への投資比率を高めている。Strive Asset Management株の買い増しもその一環と位置付けられる。Vanguardは4月にもStrive株の保有を開示しており、当時の資料では保有株数が増えたとしていた。
さらに7月には、個人資産管理部門で初となるデジタル資産統括ポストの採用公募を実施し、業界の注目を集めた。かつてBitcoin現物ETFへのアクセスを認めなかった同社が、暗号資産ETFの制限解除、Bitcoin関連企業株の買い増し、専任人材の採用へと動きを広げている。
焦点は今後、VanguardがBitcoin関連ポートフォリオをどこまで拡大するかに移っている。同社は自社の暗号資産商品の投入を否定しているものの、インデックスファンドや上場株を通じた間接的なエクスポージャーは拡大傾向にある。Bitcoin関連株が、伝統的な資本市場における機関投資家の新たな受け皿として定着するかが注目される。