写真=Shutterstock。急騰局面では値幅よりも売却タイミングの管理が重要だとクレイマー氏は指摘した。

ジム・クレイマー氏は、放物線状に急騰した銘柄を追いかけるのではなく、上昇局面で段階的に利益を確定するべきだと投資家に呼びかけた。AIインフラやデータセンター関連株の値動きが荒くなる中、急落後の押し目買いにも慎重であるべきだとの考えを示している。

7月28日付のCNBCによると、同氏は短期間で急伸する銘柄よりも、階段状に上昇していく銘柄の方が長期的には有力な選択肢になり得ると述べた。

クレイマー氏は、急騰銘柄には短期で大きな収益機会がある一方、上昇が崩れた際の下落も非常に速いと指摘した。「階段状に上げる銘柄を選んでほしい」としたうえで、「放物線状に上がる銘柄は早く稼げるように見えるが、重要なのは“そう見える”という点だ」と語った。

さらに、「お金は売るまでは稼いだことにならない」「放物線の上昇局面にいる投資家の多くは、結局売れない」とも述べた。

こうした発言は、AIインフラやデータセンター拡張への期待から急騰した銘柄が、その後大きく調整している足元の相場展開と重なる。年初から大きく上昇していた関連株は、この数週間で急落した。SanDisk株は大幅に上昇した後、6月25日に付けた高値から50%超下落した。

クレイマー氏は、自身が運用するポートフォリオでは天井を正確に狙うのではなく、株価が放物線状に動く局面で保有比率を引き下げると説明した。「株価が放物線状に動いたら、必ず一部を現金化するよう常に勧めている」としている。

具体例として挙げたのがArmとCorningだ。同ポートフォリオではArmを数カ月保有した後、7月8日に全株を売却した。それに先立ち、5月と6月初めの急騰局面で複数回にわたって利益を確定し、その後はボラティリティが過度に高いと判断して保有を手じまったという。Arm株は6月18日の高値から44%下落した。

Corningについても同様に、6月末にかけて複数回にわたり保有比率を引き下げ、利益を確保した。その後は上昇モメンタムが鈍化し、株価は6月29日に付けた高値から50%超下落した。

Corningは7月28日、市場予想を上回る第2四半期決算を発表したが、株価は12%下落した。一方でクレイマー氏は、同社の長期見通しについては引き続き前向きな見方を維持した。

もっとも同氏は、こうした急落が自動的に押し目買いの好機になるわけではないとも強調する。放物線状のラリーが崩れた後は、企業のファンダメンタルズに大きな変化がなくても、売り圧力が長引く可能性があるためだ。

クレイマー氏は「誘惑に負けるな」と述べ、「放物線状の急騰後に下落した銘柄は割安に見えるかもしれないが、株主は皆、どうにかして持ち高を処分しようとしている」と語った。

今回の発言は、AIやデータセンター関連銘柄を巡る足元の不安定な相場環境を映している。業績や長期見通しとは別に、短期的に過熱した株価はセンチメントが反転すれば急速に巻き戻される――。クレイマー氏は、急騰株を追わず、上昇局面で分散して売却すること、そして急落後も値ごろ感だけで飛びつかないことの重要性を改めて訴えた。

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