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Anthropicの大規模言語モデル「Claude Opus 5」が、3段落の短いプロンプトだけでプレイ可能な一人称シューティングゲーム(FPS)を生成したとするデモが公開され、AIコーディングにおける指示設計や評価手法を巡る議論が広がっている。

ブロックチェーン系メディアDecryptが28日(現地時間)に報じたところによると、AI投資家でAI企業Hyperlightの前最高経営責任者(CEO)であるマット・シュマー氏は、Claude Opus 5の公開から2日後、外部アセットを使わずにモデルがゲームを作成したとする動画を公開した。

デモとして示されたのは、ブラウザで動作するFPSだ。シュマー氏は、Claude Opus 5がこのゲームを「一発で作った」と説明し、映像内の要素はすべてカスタムコードで、外部アセットは一切使っていないとしている。

GitHubで公開されたプロンプトは3段落の短い構成だった。内容は、「Call of Duty」級のシューティングゲームを作ること、作業を複数のサブエージェントに分担させること、さらに実際のゲーム映像とブラインド比較する厳格な批評エージェントを設けることなどを指示するものだ。最終成果物に高い完成度を求める条件も盛り込まれていた。

要点は、機能を細かく列挙するのではなく、比較対象を明確にしたうえで反復評価の枠組みを与えた点にある。シュマー氏はこの手法を「ガントレット・ループ」と呼ぶ。曖昧な指示ではなく検証可能な基準を置き、作業を分割し、成果物の作成主体とは別の仕組みで評価する構成だという。

同氏は、レンダラーの種類は指定しておらず、ゲームシステムの詳細な一覧やAAA級品質の厳密な定義も加えていないと明らかにした。

この過程では「Claude Code」の機能を活用した。サブエージェントはそれぞれ独立したコンテキストとツールへのアクセス権を持って作業し、「Ultracode」設定によって、モデルが自律的に実行計画を立て、最大16のエージェントに作業を分散できるようにしたという。

また、Claude Codeの「/loop」機能が、修正、テスト、調整の反復を促した。シュマー氏によると、反復回数はあえて指定せず、批評エージェントが新たな問題点を指摘するたびに改善を続けたという。

完成したゲームはThree.jsとWebGL2を基盤に動作する。コード量は約5万5000行で、11のサブシステムに分割した。テクスチャ、メッシュ、アニメーション、サウンドはいずれもブラウザ読み込み時に生成し、ダウンロード済みのモデルや画像、音声ファイルは使っていないとしている。

一方、シュマー氏が公開した批評ログによると、スコアは10点満点で3.59点から5点台をわずかに上回る水準まで上昇したものの、記録された全ラウンドで「Call of Duty」が優位だった。

同じプロンプトを試す動きも出ている。元ヘッジファンドマネジャーでポッドキャスターのジェームズ・アルトゥチャー氏は、同一のプロンプトを使い、約10時間超、約130万トークンを投じて「Operation Blackout」を作成したと公表した。

Prompt Siloの開発者も、同じ要求をOpenAIの上位モデル「Sol 5.6 Ultra」に適用した結果を公開した。これに対し、開発者のレオン・リン氏は、シュマー氏の短いプロンプトは使わず、ラグドール物理やシャドウマップまで含めた約20セクションの詳細文書を作成し、Cursorでテストしたと説明した。成果物の「Dust Corridor」もブラウザで動作したという。

ただ、こうした後続事例は、シュマー氏が実施したブラインド比較試験を経ていない。このため、同じ3段落のプロンプトが他モデルや別のワークフローでもどの程度一貫して機能するのかは、なお限定的にしか確認されていない。

技術的な成果とは別に、限界を指摘する見方もある。FPSは、公開コードやチュートリアル、開発者フォーラムの蓄積が豊富な分野だ。Three.jsにもポインターロックによるカメラ制御の作例があり、マウス視点移動やWASD移動、レイベースの射撃処理といったパターンは長年広く共有されてきた。

こうした環境では、公開リポジトリを学習したコード生成モデルが、既存の類似構造を再構成した可能性を排除しにくい。研究者はこの問題を学習データ汚染と呼ぶ。学習データにほぼ同一の例が含まれ、新規の推論より再構成の比重が大きくなるケースを指す。

今回のFPS事例でも、その点を検証する手続きは公開されていない。このため、AIが先行事例なしにシューティングゲームをゼロから設計した証拠というより、ドキュメントが整ったジャンルにおいて、エージェント型のコーディングツールがどこまで機能し得るかを示す事例とみるのが妥当だ。

シュマー氏はXへの投稿でも、Claude Opus 5がこのゲームを一度の指示で作成し、デモ内のすべてがカスタムコードで外部アセットは使っていないと説明した。

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