ビットコイン相場は今週、米連邦公開市場委員会(FOMC)と米個人消費支出(PCE)価格指数の公表を前に、値動きが荒くなる可能性が高まっている。中東情勢の変化や米株の調整圧力、取引所への資金流入動向も重なり、複数の外部要因が相場を左右する局面だ。
Cointelegraphが27日(現地時間)に報じたところによると、市場では米金融政策が再びタカ派方向に傾くのか、その影響がビットコインを含むリスク資産にどこまで波及するのかに関心が集まっている。
最大の注目材料は、29日に予定されるFOMCの政策金利決定だ。FRBは足元まで明確なハト派シグナルを打ち出しておらず、金利見通しを巡る警戒感がくすぶる。米2年債利回りは先週4.3%まで上昇し、CMEグループのFedWatchでは今週の利上げ確率が31%程度織り込まれた。9月会合での利上げ確率も50%まで意識された。
一方、週初には米国とイランが攻撃停止に動き、原油価格が急落したことで、利上げ観測はやや後退した。WTI(米国産標準原油)は1バレル83ドル台まで下落。市場では中東情勢の緊張緩和の可能性を改めて織り込む動きが出ている。市場分析会社Kobeissi Letterは、市場が再び和平シナリオを織り込み始めたと分析した。
インフレを巡るFRBの見方も相場の重しとなる。ウォッシュ氏は先の発言で、インフレ率は委員会の目標である2%をなお上回っており、エネルギーを含む一部部門の供給ショックが物価上昇を促していると述べた。こうしたなか、30日に公表されるPCEは、中東情勢の影響を経たインフレ動向を見極める指標として注目される。国際通貨経済ネットワーク(IMEN)は、6月のPCE上昇率が前年比3.7%と、5月の4.1%からやや鈍化すると予想した。
市場の反応は資産ごとに分かれている。足元ではビットコインと米主要株価指数の相関が低下しているものの、地政学リスクとマクロ環境の悪化が重なれば、両者が再び同方向に動く余地はある。
米企業決算はおおむね市場予想を上回ったが、大型ハイテク株は先週、下げが目立った。マグニフィセント7(M7)は金曜日までに合算で5.3%下落した。Mosaic Asset Companyは、S&P500がすでに50日移動平均線を下回っており、三角持ち合いのトレンドラインの支持も崩れれば、足元で7000近辺にある200日移動平均線を試す可能性があると警告した。
ビットコインは週末の終値後、Bitstampベースで6万5680ドル(約985万円)まで上昇し、目先の高値を更新した。ただ、依然として従来のボックス圏を抜け出せておらず、50カ月指数平滑移動平均線(EMA)が上値抵抗として意識されている。アナリストのRekt Capitalは、売り主導の出来高が増えるほど、この抵抗線で押し戻される可能性が高まるとの見方を示した。
資金フローでは、クジラと個人投資家の動きの違いが鮮明になっている。CryptoQuantによると、6月12日以降にBinanceへ流入したビットコインのうち、クジラによる流入は最大44%減少し、個人投資家の流入は22%減った。足元の個人流入規模はクジラの約2倍で、差額は39億ドル(約5850億円)に達した。アナリストのアムル・タハは、今回のFOMCを主要なマクロ材料と位置付け、FRBの判断が個人とクジラの乖離を維持させるのか、それとも再び収れんに向かわせるのかを見極める試金石になり得ると指摘した。
今週のビットコイン市場では、FOMCの金利判断、PCE物価、中東情勢、米株の調整圧力、取引所への流入構造という5つの材料が同時に意識される。短期的な戻り基調は続いたものの、マクロ要因と売り圧力はなお残っており、相場の方向感は不安定なままだ。