Zcashは、7月末に予定しているネットワークアップグレード「Ironwood」について、延期の可能性を検討している。取引所やマイニングプール、ウォレット事業者が、アップグレードとソフトウェア移行に同時対応するための準備期間を十分に確保できない恐れがあるためだ。
Cointelegraphが7月3日(現地時間)に報じた。懸念の背景には、Zcash関連事業者が既存ソフトウェア「zcashd」から「Z3スタック」への移行も並行して進めなければならない事情がある。
Shielded Labsのジェイソン・マッギーは、Zcashのコミュニティフォーラムで、Ironwoodへの対応とZ3スタックへの移行が同時進行になっていると説明した。Zcashのエコシステム参加者は、既存のノード/ウォレットソフトウェアであるzcashdを、Z3スタックへ置き換える必要がある。
Z3スタックは、ネットワークノード向けの「Zebra」、アプリケーション向けにブロックチェーンデータを提供する「Xyano」、ウォレット機能を担う「Zallet」で構成される。公式ガイドによると、zcashdの一部機能には直接置き換えられる代替手段がなく、運用事業者が自社システムを改修する必要が生じる可能性がある。
Ironwoodは、Zcashの主要なシールドプール「Orchard」で見つかった「Infinity」バグを受けて提案された。この欠陥により、理論上は攻撃者がOrchard内で偽造ZECを無制限に生成できる可能性があったという。
開発側は、実際に悪用された証拠は確認されていないとしている。一方で、Orchardのプライバシー保護の仕組み上、偽造コインがまったく生成されていないことも証明できないと説明した。
Ironwoodでは、新たなシールドプールを導入し、既存のOrchardプールでの新規利用を停止する設計を採る。Orchardから流出する資金には監査プロセスを適用し、当初流入した量を上回るZECが流出できないようにする。
これにより、利用者はZcashの発行量が設計上の上限内に収まっているかを検証しやすくなる。