XRP Ledger(XRPL)上で融資インフラが整備されれば、XRP保有者は保有資産を売却せず、担保に差し入れて資金を借り入れる運用が可能になる――。こうした見方が浮上している。
ブロックチェーンメディア「The Crypto Basic」が2日(現地時間)に報じたところによると、XRPアナリストのジェームズ・デュラ氏は、CoinbaseのXRP担保融資、政府保証付きの暗号資産関連住宅ローンの事例、さらにXRPLで提案されている融資機能が組み合わされれば、長期保有者向けの新たな金融モデルになり得ると指摘した。
論点は、XRPを売却せずに流動性を確保できるかどうかにある。デュラ氏は、Coinbaseが今年初めにXRPを担保融資の対象資産に追加したことで、保有者はXRPを担保に暗号資産担保ローンを利用できるようになったと説明した。
こうした取引は売却ではなく借り入れとして扱われるため、譲渡益課税の対象とならず、将来のXRP価格上昇へのエクスポージャーを維持できる点が特徴だという。
同氏は試算例として、XRP価格を100ドルと仮定した場合、1万XRPを保有する投資家がそのうち2500XRPを担保に入れると、担保評価率を約49%とした前提で、およそ12万ドル(約1800万円)のUSDCを借り入れられるとした。保有者はXRPを手放さずに資金を確保できる計算になる。
デュラ氏はさらに、こうした仕組みが担保融資にとどまらず、住宅ローン分野にも広がり得る点に言及した。例として挙げたのが、Better Home & FinanceとCoinbaseがビットコインを活用して実現した、米国初のFannie Mae保証付きモーゲージだ。
この仕組みは、通常の住宅ローンに暗号資産担保ローンを組み合わせ、頭金の原資を確保するものとされる。特に、担保に入れたビットコインは、価格が下落しても借り手が住宅ローンの返済を続ける限り、自動的に清算されないという。
もっとも、このプログラムは現時点でXRPには対応していない。それでもデュラ氏は、暗号資産担保金融の拡張事例として位置付け、同様の構造が将来的にXRPへ広がる可能性があるとみている。
今後の焦点は、XRPLで提案されている融資機能が実際に導入されるかどうかだ。デュラ氏は、XLS-66dを含むXRPLの融資関連機能が実装されれば、XRPの活用範囲はさらに広がるとした。
同氏が示したシナリオでは、担保に使っていないXRPを「Single Asset Vault」に預け、機関投資家などの借り手に流動性を提供することで、利息収入を得る想定になっている。
年4~7%の利回りを前提とすると、担保に回していない7500XRPから年間3万~5万2000ドル(約450万~780万円)の収益が見込める一方、担保に入れたXRPの借り入れコストは年3.2%程度で、約3800ドル(約57万円)になるとの試算も示した。
デュラ氏は、残りのXRPから得られる収益が融資維持コストを上回る可能性があるとして、長期保有ポジションを維持しながら借り入れコストを相殺できる構造になり得ると述べた。
ただ、この構想が直ちに実行段階に入っているわけではない。デュラ氏自身も、担保融資や機関向け流動性プール、収益型ボールトといった仕組みはデジタル資産市場で段階的に整備が進んでいる一方、XLS-66dを含む一部のXRP関連機能はなお提案段階にあり、実際の提供には至っていないと認めている。
このため、XRPを担保とした借り入れ戦略が現実の選択肢となるかどうかは、Coinbaseにおける担保融資の活用範囲に加え、XRPLの融資機能が正式に導入されるかにかかっている。