写真=クリス・ウェバー氏のXへの投稿より。Amazonは衛星29基を追加投入し、衛星網「Leo」を390基超に拡大した。

Amazonは、低軌道衛星インターネットサービス「Leo」の配備数を年内の初期サービス開始に必要な規模まで拡大した。7月2日、衛星29基を追加投入し、衛星網は390基を超えた。

米CNBCなどによると、今回の打ち上げはUnited Launch Alliance(ULA)のAtlas Vロケットで実施した。AmazonでLeoのビジネス・製品担当バイスプレジデントを務めるクリス・ウェバー氏はX(旧Twitter)への投稿で、現在の衛星数について「初期サービス対象の緯度帯で継続的な提供を支えられる規模に達した」と説明した。Amazonはこれを踏まえ、年内に初期サービスを始める計画だ。

Leoは、AmazonがSpaceXのStarlinkに対抗して整備している低軌道衛星インターネット網。Amazonは2025年11月に一部企業向けのエンタープライズ・プレビューを始めたが、個人向けや政府向けのサービスはまだ提供していない。初期の商用サービスも、当面は特定地域の利用者に限られる公算が大きい。ウェバー氏は今後の打ち上げにより、「カバレッジと容量をさらに積み増す」としている。

もっとも、Starlinkとの差はなお大きい。SpaceXはAmazonに先立ちStarlinkの展開を始め、現在は約1万基の衛星を運用し、加入者は1000万人を超える。Amazonは2019年にカイパー構想を発表し、その後名称をLeoに変更した。

Amazonは最終的に約7700基規模の衛星網構築を目指している。一方で、打ち上げ機の不足が配備ペースの重荷となってきた。Amazonは2026年1月、規制上の配備期限の延長を求めた際、短期的な打ち上げ機不足を自社では制御できない遅延要因として挙げた。2022年にはULA、Arianespace、ジェフ・ベゾス氏のBlue Originと大規模な打ち上げ契約を結び、その後SpaceXの打ち上げ枠も追加で確保したが、複数の事業者でスケジュールの遅れが生じた。

2026年5月には、Blue OriginのNew GlennロケットがAmazonの衛星を輸送する直前段階で、地上燃焼試験中に発射台で爆発する事故も起きた。Blue Originは発射台の復旧と原因究明を進めている。ベゾス氏とBlue Originの最高経営責任者(CEO)デイブ・リンプ氏は、New Glennを年末に再投入する方針を示している。New GlennはSpaceXのStarshipと競合する部分再使用型の大型ロケットで、最大45トンのペイロードを低軌道に投入できる。

Amazonは次のLeoミッションで、ULAのVulcanロケットを使う計画だ。同社はVulcanについて、「より大型のLeoペイロードを搭載でき、配備ペースの引き上げに役立つ」と説明している。Leoの打ち上げシステム責任者であるメリッサ・ウェール氏は声明で、フロリダ州ケープカナベラルには打ち上げ準備を終えた衛星が数百基待機しているほか、Vulcan向けの垂直統合施設も整備したと説明。初期サービス開始後にネットワークのカバレッジを迅速に拡大できる体制が整ったとの認識を示した。

このため、Leoの次の焦点は初期サービスの立ち上げそのものよりも、その後の打ち上げ頻度をどこまで高め、限定的な地域提供から広域展開へ移行できるかに移りつつある。サービス開始の条件は整いつつあるが、本格的な競争力は追加投入の速度とカバレッジ拡大の進み具合に左右されそうだ。

ウェバー氏のX投稿(英文)は次の通り。

「直近数回の打ち上げは@AmazonLeoにとって大きな前進となった。配備済み衛星は390基を超え、初期の緯度帯で継続的なサービスを支えられる規模に達した。なお、割り当てられた高度まで引き上げるなど、やるべき作業はまだ多いが、必要な段階は完了した」

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