ビットコインは2日、米雇用統計の下振れを受けて上昇し、一時6万2137ドルまで値を伸ばした。米労働市場の減速を背景に米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が強まり、暗号資産などリスク資産に買いが向かった。
ブロックチェーンメディアのCointelegraphによると、ビットコインは同日、米株式市場の取引開始前後に上げ幅を広げ、Bitstampベースで6万2137ドルを付けた。日中の上昇率は4%近くに達した。
きっかけとなったのは、米労働統計局(BLS)が公表した6月の雇用統計だ。非農業部門雇用者数は5万7000人増と、市場予想の11万4000人増を大きく下回った。失業率は4.2%、失業者数は710万人だった。
市場では、この結果をFRBの金融緩和に向けた思惑を強める材料と受け止めた。労働市場の弱さが鮮明になれば、物価上昇圧力の鈍化とあわせて金融環境が緩和方向に向かいやすいとの見方が広がり、ビットコインやアルトコインの上昇を後押しした。Kobeissi Letterは、5月の雇用統計も4万3000人下方修正されたと指摘した。
市場心理の改善を指摘する声も出ている。暗号資産トレーダーのミハエル・バン・デ・ポペは、インフレ期待の低下などを踏まえ、市場の方向感を示す強いシグナルだとの見方を示した。中期的な見通しがより強気に傾いているとの受け止めだ。
デリバティブ市場でも強気の兆候がみられた。市場解説者のエクシットポンプは、Binanceの無期限先物で、大口の売り注文をこなしながら価格が上昇したとし、強気シグナルだと評価した。上昇に追随する買い注文も入っているとした。
急伸局面ではショートポジションの清算も膨らんだ。Coinglassによると、記事作成時点で直近24時間の暗号資産市場におけるショート清算額は約4億5000万ドルに達した。価格上昇が追加の清算を誘い、それがさらに買い圧力を強める展開となった。
もっとも、先高観一辺倒ではない。Rekt Capitalは今回の上昇を7月の反発局面と位置付ける一方、8月には弱気モメンタムが再び強まる可能性があるとみている。別の投稿では、反発後に50カ月指数移動平均線(EMA)が新たな上値抵抗線として機能した場合、時間の経過とともに下押し圧力が強まる可能性が高いと指摘した。
目先は、米マクロ指標が金利見通しをどこまで動かすかに加え、ビットコインが6万2000ドル台を維持できるかが焦点となる。今回の上昇が現物需要の拡大につながるのか、それともショート清算主導の一時的な反発にとどまるのかを見極める局面となりそうだ。