2026年上期、中国で配信・運営に必要な「外資版号」を取得した韓国ゲームが増え、業績への寄与に期待が集まっている。版号の取得がそのまま発売やヒットを保証するわけではないが、すでに中国でサービスを始めた一部タイトルでは、初動で一定の成果も出ている。
中国国家新聞出版署が3日に公表した「2026年輸入オンラインゲーム承認情報」によると、1〜6月に韓国ゲーム会社関連の7タイトルが外資版号を取得した。
版号は、海外ゲームが中国で正式にサービスを提供するために必要な許認可だ。これがなければ中国市場でゲームを展開できず、進出の前提条件とされる。
月別にみると、1月にはActoz Softの「LaTale」IPを活用した「彩虹島:愛麗絲之境」が承認された。2月と3月には、NexonのMMORPG「Shaiya」IPをベースにした「Shaiya:光與暗」と「Shaiya:紛争」がそれぞれ版号を取得した。
4月にはNexon子会社Embark Studiosの「ARC Raiders(霍光獵人)」と、Gravityの「Ragnarok」IPを活用した「仙境伝説:諸神戦場」が承認された。5月はWebzenの「MU」IPを用いた「奇跡:新起源」が版号を取得。さらに6月29日には、Wemadeの「Night Crows」がモバイル・クライアント向けタイトルとして承認され、上期の累計は7本となった。
◆中国展開は現地協業が主流 運営負担を抑え収益を確保
足元の韓国ゲーム会社による中国展開には共通点がある。中国で自社が直接運営するのではなく、Tencentなど現地企業にゲームIPを提供したり、現地でのパブリッシングや運営を委ねたりする協業モデルが広がっている。
背景には、中国市場の参入障壁の高さがある。版号の取得に加え、流通網の構築、ユーザー嗜好に合わせたマーケティング、決済連携、コンテンツ審査など、各段階で対応が求められる。中国市場に精通した現地パートナーに運営を任せれば、自社の負担を抑えつつロイヤルティ収益を確保しやすい。現地企業にとっても、韓国やグローバル市場で実績のあるIPを活用できる利点があり、双方の思惑が一致しやすい構図だ。
◆Lineage2MやChaos Zero Nightmareなど、中国で初動に手応え
もっとも、今年版号を取得したタイトルがすべて発売されたわけではない。一方で、すでに中国でサービスを始めた韓国系タイトルでは、初動の好調さが確認されている。
NCのMMORPG「Lineage2M」は6月24日、Tencent Gamesと共同で「天堂2:盟約」として中国で正式サービスを開始した。配信直後には中国のApple App Store人気ランキングで1位となり、アクセス集中を受けてサーバー数を当初の12から36まで緊急増設した。前作「Lineage2」の現地での認知度を背景に、パーティーダンジョンの強化やキャラクター外見のカスタマイズ機能追加など、中国ユーザーの嗜好に合わせた調整も施した。
Smilegateのダークファンタジー・ローグライクRPG「Chaos Zero Nightmare」も、5月28日にTencentと中国でサービスを開始し、6月17日時点で中国Apple App Storeの売上ランキング8位に入った。配信から1カ月に満たない時点での実績という。競争の激しい中国サブカル系ゲーム市場で、初動から売上上位に食い込んだ点が注目されている。ローンチ記念の新キャラクター「ペイ」のPR映像は再生回数が500万回を超え、中国の無形文化遺産である伝統舞踊「儺舞」と連携したコンテンツは国営メディアの新華社でも紹介された。こうした現地最適化のマーケティングが、立ち上がりを後押しした格好だ。
Nexon子会社Mintrocketの「Dave the Diver」モバイル版は2月、現地パブリッシャーXDを通じて中国で配信を開始した後、モバイル有料ゲーム販売ランキングで1位を記録した。一部の現地集計では、発売から11日で販売本数が50万本を超えたとされる。
◆版号取得は出発点 中長期の成否は運営力次第
ただ、初動の勢いが長期的な売上につながるかは別問題だ。中国ゲーム市場では、発売直後はマーケティング効果がランキングに反映されやすい一方、その後の推移はコンテンツ更新の頻度や課金設計、継続率によって大きく左右される。
参考例として挙げられるのが、Nexonの「Dungeon & Fighter Mobile」だ。同作は2024年5月の中国発売から1カ月で3700億ウォン超を売り上げるなど、初動で大きな成果を上げたが、1年後には発売初期に比べて売上が大幅に減少したと伝えられている。初期の関心だけでは長期ヒットにつながらないことを示す事例といえる。
ジャンルごとの特性にも目配りが必要だ。MMORPG、サブカル系タイトル、買い切り型モバイルゲームでは、ユーザー層も収益構造も異なる。同じ版号取得タイトルでも、実績の出方や収益化までの時間差は当然変わってくる。
そうした中、上期に7タイトルが版号を確保したことは、韓国ゲーム各社にとって中国市場での事業機会の拡大につながる材料といえそうだ。中国ゲーム市場は前年比7.68%増の約73兆ウォン規模で、利用者数は6億8300万人に達する。韓国コンテンツ振興院によると、2024年の韓国ゲーム輸出先でも中国が29.7%で首位だった。
業界関係者は「版号の確保は出発点にすぎず、最終的には現地パートナーとどれだけ緻密にライブサービスを運営できるかが業績を左右する」と指摘する。そのうえで「中国向けタイトルの成果が積み上がれば、韓国ゲーム各社の海外売上の構成にも変化をもたらす可能性がある」との見方を示した。