部品・ソフト分野にも投資対象を広げるAnt Group。写真=Ant Group

Ant Groupがヒューマノイドロボット分野への投資を強めている。CNBCが2日報じたところによると、同社はヒューマノイドロボット企業Zerothの5億元規模の資金調達ラウンドを主導した。

今回の出資により、Ant Groupのヒューマノイド分野での投資先は、2025年初以降で12社に広がった。対象はGalaxeaやUnitreeなどの機体メーカーに加え、LingkeRobot、Hypershell、GenRobot AIといった部品・ソフトウェア系スタートアップにも及ぶ。機体と基幹技術の両面に布石を打つ構えだ。

Zerothは今回のプレシリーズA調達で、累計調達額を10億元に積み増した。ラウンドにはMonolith、Geely Capital、37 Interactive Entertainment、Hua Capitalも参加した。中国法人名はSuzhou JoyIn Intelligent Technologyで、2024年末に設立された。

Ant Groupの一連の動きは、近年進めてきた事業領域の拡大の一環とみられる。Alipayを運営する同社は、2020年に大型IPOが中断した後、ヘルスケアサービスアプリを投入し、自社のAIモデルも公開した。2024年末にはヒューマノイドロボット子会社Robbyantを設立し、自社でのロボット開発にも乗り出している。

またAnt Groupは、Alipayのモバイル決済サービスについて、AIやロボットとの連携を想定したバージョンも公開した。Zerothは、この領域での協業に期待を示している。決済インフラとロボットサービスの接続が、実際の事業連携に発展するかが焦点となる。

Zerothは製品の商用化についても段階的な戦略を描く。創業者のグオ・レンジエは年初のインタビューで、家庭向けヒューマノイドロボットの実用化を段階的に進める方針を示し、まずは高齢者ケアやペットケア向けの陪伴型ロボットから展開し、その後は子ども向け教育ロボットへ広げる考えを明らかにした。

部品とサプライチェーンの戦略も明確だ。グオ・レンジエは、スマートフォン向けチップなどの分野で実績を持つ企業の確保に注力してきたと説明し、現在のロボットにはHorizon Roboticsのチップを採用していると述べた。ヒューマノイドロボット市場がなお立ち上がり期にあることを踏まえ、量産体制やコスト構造を左右する半導体と部品の供給力を先行して固める狙いとみられる。

足元の事業実績について、Zerothは受注台数が3万台を超えたと説明した。また、今年上半期の収益は前年同期比で600%増加したとしている。もっとも、これらの数値はいずれも同社の説明に基づく。

Zerothは海外展開の計画も示した。グオ・レンジエは、現地の規制順守要件を満たし次第、今秋にも北米と欧州で販売を始める方針を明らかにした。

中国ではヒューマノイドロボットを巡る投資熱が一段と高まっている。こうした中、NVIDIAは先月30日、北京、上海、深センを拠点にロボティクス関連人材の採用を進めると発表した。Ant Groupの連続出資と世界的半導体企業の採用拡大が重なり、中国のヒューマノイドロボット市場の競争はさらに激しくなりそうだ。

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