写真=アバランチ(AVAX)

Avalanche Treasuryが、継続企業の前提に重要な疑義があると米証券取引委員会(SEC)への提出書類で開示した。中核資産として集中保有する暗号資産「AVAX」の評価損が膨らみ、株価は約1カ月で93%下落。融資に伴う担保設定も重なり、財務面の負担が強まっている。

ブロックチェーンメディアのThe Defiantが1日(現地時間)に報じたところによると、同社は最近提出した10-Q四半期報告書で、「当社の継続企業としての存続能力について重要な疑義が解消されていない」と説明した。

同社はナスダックでティッカーシンボル「AVAT」として取引されている。株価は6月初旬には10ドルを上回っていたが、6月11日の上場後、終値ベースで1.85ドルまで下落し、6月末には0.73ドルを割り込んだ。約1カ月で93%安となり、時価総額も大きく縮小した。

背景にあるのは、AVAXをトレジャリー資産として集中保有する戦略だ。Avalanche Treasuryは昨年10月、最大10億ドル(約1500億円)規模のAVAXトレジャリー構築計画を発表。その後、SPACのMountain Lake Acquisitionとの合併を経て、先月ナスダックに上場した。

同社はAVAXの購入に約2億6500万ドル(約397億5000万円)を投じたが、2026年3月末時点の保有資産価値は約1億2300万ドル(約184億5000万円)まで目減りした。取得額に対して半分超の価値が失われた計算になる。

業績への影響も大きい。運営子会社は2026年1〜3月期に2600万ドル超(約39億円)の純損失を計上し、その大半はAVAX保有分の公正価値評価損によるものだった。

財務構造にも懸念がある。同社は保有する計1380万AVAXのうち、約780万AVAXを融資の担保として差し入れている。AVAX価格がさらに下落した場合、担保余力が急速に低下する可能性がある。

株価の下落と保有資産価値の縮小が同時に進んだことで、企業価値の目減りも鮮明になっている。Yahoo Financeによると、Avalanche Treasuryの時価総額は現在3000万ドル(約45億円)を下回る。AVAX価格も年初来で約47%下落しており、足元では6ドル台後半で推移している。

こうした動きは、デジタル資産を企業のトレジャリー資産として集中保有する上場企業モデルのリスクを示した格好だ。トークン価格の下落が企業資産価値、業績、株価に同時に波及する構造に加え、担保融資を活用している場合には、下落局面で財務負担が一段と膨らむ可能性がある。

同様の戦略を進めた企業も苦戦している。Agriforce Growing Systemsは昨年、社名をAVAX Oneに変更し、最大7億ドル(約1050億円)規模のAVAX購入計画を打ち出した。しかし、現在の時価総額は約4300万ドル(約64億5000万円)まで縮小し、株価は年初来で約68%下落している。

市場では、暗号資産を企業のトレジャリー資産として活用する戦略は、強気相場では評価を受けやすい一方、弱気相場では資産価値と企業価値が同時に揺らぐことを改めて浮き彫りにしたとの見方が出ている。

一方、アバランチのエコシステムを主導するAvalanche FoundationとAva Labsは、本稿執筆時点でAvalanche Treasuryの継続企業リスクや株価急落について公式な見解を示していない。

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