韓国取引所は、KOSDAQの特例上場企業に対する事後管理を強化する。あわせて、低PBR銘柄の公表制度のルール整備や、複数議決権株を発行する企業の上場に向けた制度見直しも進める。
同取引所は7月2日、「KOSDAQ信頼+イノベーション向上策」と「資本市場体質改善策」の後続措置として、上場規程と施行細則を改正し、同日から施行すると発表した。
今回の改正では、KOSDAQの特例上場企業に適用してきた上場廃止要件の猶予制度を見直す。対象は技術特例上場企業と、利益未達の特例上場企業だ。今後は、猶予期間中に企業価値向上計画を開示した企業に限って、猶予の適用を受けられる仕組みに改める。
これまでは、特例上場企業が将来の成長性を評価して上場していることを踏まえ、売上高や大規模損失に関する上場廃止要件の適用を一定期間猶予してきた。取引所は今回の見直しを通じて、特例上場企業による投資家への説明や対話を促す考えだ。
取引所によると、6月15日時点のKOSDAQ全体のバリューアップ開示件数は389件だったが、このうち特例上場企業は10件にとどまった。
技術特例上場企業に対する管理も厳格化する。上場後5年以内に主たる事業目的を変更した場合、上場廃止の実質審査対象に加える。ただし、既存の主力事業に類似、または付随する事業への変更は除外する。
イノベーション企業の上場を後押しするため、業種別の定性審査基準も拡充する。既存のバイオ、人工知能(AI)、宇宙、エネルギーに加え、新たに先端ロボット、K-コンテンツ、サイバーセキュリティ分野の基準を設ける。
低PBR銘柄の公表制度についても、上場規程上の根拠を整える。詳細基準は7月中に別途ガイドラインとして取りまとめ、公表する予定だ。
「資本市場体質改善策」によると、低PBR銘柄の一覧は「KRXバリューアップ」サイトで常時公表し、銘柄名には「低PBR」タグを付ける。ただし、企業価値向上計画を開示した企業については、一定期間、一覧掲載やタグ表示の対象外とすることができる。
複数議決権株を発行する企業の上場に向けた制度整備も進める。ベンチャー企業育成に関する特別法上の要件を満たす未上場ベンチャー企業は、1株当たり1個超10個以下の議決権を持つ複数議決権株を発行できる。
取引所は、複数議決権株を発行している法人について、普通株の上場を認める方針を示した。一方で、複数議決権株そのものは、譲渡時に普通株へ転換される法的性格などを踏まえ、上場対象としない。
また、従来の保有株式数基準による筆頭株主の概念に加え、議決権数基準の「最多議決権者」という概念を新設する。筆頭株主に課される義務保有などを適用する際、筆頭株主と最多議決権者が異なる場合には、最多議決権者も筆頭株主に含める形で制度を整える。
上場予備審査では、複数議決権株の発行が適切かどうかに加え、議決権の濫用を防ぐための牽制装置が整備されているかどうかを審査できるよう、根拠規定も設ける。
このほか、5月に改正された上場廃止制度改革案に関連する規程は7月1日に施行された。時価総額要件は、まずKOSPIで300億ウォン、KOSDAQで200億ウォンを適用し、2027年1月1日からはKOSPI500億ウォン、KOSDAQ300億ウォンへ引き上げる。
終値が1000ウォン未満の状態が一定期間続いた銘柄を、管理銘柄指定や形式上場廃止要件の対象とする「低位株」要件も新設した。いわゆる「コイン株」への対応策となる。さらに、半期レビュー報告書で完全資本蚕食となった場合は、上場廃止の実質審査事由に追加する。