ビットコインは、米連邦準備制度理事会(FRB)を巡るインフレ発言を受けて一時6万ドルを回復した。ただ、米金利の上昇観測に加え、ビットコイン現物ETFからの資金流出も続いており、市場では戻りの持続性を慎重に見極める姿勢が強い。
1日付のCointelegraphによれば、ビットコインはFRBの利上げ懸念とビットコイン現物ETFからの資金流出が続くなかでも、いったん買い戻しが入った。
反発のきっかけとなったのは、ケビン・ウォッシュ氏の物価を巡る発言だった。市場では根強いインフレ懸念が改めて意識された一方、ビットコインは短期的に強含む展開となった。
もっとも、ビットコインは利息を生まない資産であり、利回り資産の魅力が高まる局面では相対的に不利になりやすい。トレーダーの間では、こうした構図が引き続き相場の重荷になるとの見方が出ている。
実際、米5年国債利回りは4.22%まで上昇した。投資家が国債でより高い利回りを求めていることを示している。
米金利先物市場では、9月までの利上げ確率を64%織り込んでいる。市場が高金利の長期化を意識するほど、ビットコインや金といった代替資産には逆風となりやすい。
ドル高も重荷だ。ドル指数は1年以内の高値圏に接近し、金価格は直近2カ月で12%下落した。
一方、株式市場では人工知能(AI)関連の強さを背景に、Nasdaq100指数が直近3カ月で25%上昇した。
ただ、テクノロジー株が一様に上昇しているわけではない。MicronとSandiskの株価は、水曜日の取引時間中に9%超下落した。
その一方で、iShares SOX Semiconductor ETFは直近3カ月で78%上昇しており、これだけで半導体セクター全体のトレンド転換と判断するのは難しいという。
暗号資産市場の需給環境はなお慎重だ。ビットコイン現物ETFでは資金流出が続いている。
市場では、こうした流れが強気派の期待を削ぎ、悪材料に対して相場がより敏感に反応しやすい地合いを強めているとみられている。ビットコインが過去最高値から53%安の水準にとどまっていることも、6万ドルを明確な支持線として織り込めない要因になっている。
Strategyの動向も変動要因の一つだ。Strategyは6月30日、現金比率を引き上げ、配当原資を17カ月分の水準まで回復させたと発表した。
ただし、変動金利型の優先株STRCは、追加発行に必要な目標株価である100ドルをなお大きく下回る水準で推移した。STRCの配当利回りは11.5%から12%に上昇したが、それだけでは買い手の裾野拡大には十分でなかったという。
市場では、ビットコインの足元の反発と中期的な下押し圧力を同時に意識している。FRBの継続的なインフレ懸念を示す発言が短期的な支援材料となる一方、利上げ期待とAI関連セクターの強い利益モメンタムは、引き続き相場の下押し要因になり得るとの見方だ。
このため、市場では6万5000ドルまでの持続的な上昇には、なお時間を要する可能性があるとの見方が出ている。