American Bitcoinは、ナスダック上場の維持に向けて1対15の株式併合を実施する。株価低迷が続く中、最低株価基準の回復を図る狙いがある。
1日、ブロックチェーンメディアのDecryptによると、同社は2日の取引終了後、A種およびB種普通株を15株につき1株の割合で併合する。併合後の株式は6日の取引開始から売買される予定。ティッカーシンボル「ABTC」は維持する一方、CUSIPは変更される。
株式併合の目的は、ナスダック・キャピタル・マーケットの最低株価基準を満たすことにある。American Bitcoinの株価は下落基調が続いており、Yahoo Financeによると、ABTCは同日の取引時間中に0.6122ドルまで下落し、上場来安値を更新した。
足元の株価は0.636ドル前後で推移しており、この1カ月で41%超下落した。過去1年では下落率が約86%に達している。
株式併合に伴い、発行済み株式数も大幅に減る。現在の約10億9000万株は、約7300万株に減少する見通しだ。
もっとも、株数が減っても時価総額そのものが変わるわけではない。会社側は、株主側で特段の手続きは不要で、併合の過程で生じる端株については現金で支払う予定だと説明している。
この議案は6月22日の年次株主総会で承認され、その後、取締役会が1対15の併合比率を最終決定した。American Bitcoinは大規模なビットコイン採掘事業を手がける一方、財務資産としてビットコインを直接保有する戦略も進めている。
同社は昨年9月、企業合併を通じて上場した。北米のビットコイン採掘企業Hut 8が筆頭株主で、エリック・トランプ氏が共同創業者として参画したことで、市場の注目を集めた。
株式併合は、株価の長期低迷で取引所の上場維持基準を満たせなくなった企業が採用することの多い手法だ。発行株数を減らして見かけ上の株価を押し上げる効果はあるものの、企業価値そのものを改善するわけではないため、投資家の間では上場維持に向けた技術的対応と受け止められることが多い。
足元ではビットコイン相場の下落も同社には逆風となっている。ビットコインは最近、6万ドルを下回り、1カ月で約16%下落した。一時は5万8000ドルを割り込み、約21カ月ぶりの低水準を付けた。
現在の価格も、昨年10月に記録した史上最高値の12万6000ドルと比べて50%超低い水準にある。
こうした中、ドナルド・トランプ大統領の暗号資産関連の資産開示にも改めて注目が集まっている。トランプ氏は先月30日、2025年に暗号資産関連事業で12億ドル超を得て、5000万ドル超のビットコインを保有していると公表した。
一方でトランプ氏は1日未明、記者団に対し、個人の投資判断には関与しておらず、関連する判断は助言者に委ねていると述べた。
American Bitcoinの株式併合が実際に上場維持につながるか、また投資家心理の改善に結び付くかが今後の焦点となる。