ビットコインは21カ月ぶりの安値となる5万7737ドルまで下落した後、6万1000ドル台の回復を試している。ただ、レバレッジポジションの清算が起きやすい価格帯が足元に集中しており、底打ちを確認するにはなお不透明感が残る。
Cointelegraphによると、ビットコインは1日、一時6万200ドルまで上昇した。日中安値は5万7737ドルだった。
価格は切り返したものの、市場心理はなお冷え込んでいる。暗号資産の恐怖・強欲指数は足元で11と、「極端な恐怖」の水準にとどまる。ビットコインは年初来でも依然として約3分の1下落している。
需給面では、現物ETFの資金フローと長期保有者の動きが対照的だ。ビットコイン現物ETFはここ数週間、流入を上回る流出が続き、6月の純流出額は45億ドル(約6750億円)に達した。設定来で最大規模という。
一方、長期保有者は直近2週間で約27万BTCを追加購入した。長期投資家の一部が、今回の下落を売りシグナルではなく買い場とみていることを示している。
短期的な需給を映す指標として注目されるのが、先物市場の資金調達率だ。この指標は3日連続でプラスを維持した。価格が安値を切り下げる局面でも、上昇を見込むポジションが積み上がっていたことを意味する。こうした局面で相場が逆行すれば、強制清算が膨らみ、値動きが一段と荒くなる可能性がある。
主要3取引所の直近1週間のデータを基にした清算ヒートマップでも、同様の傾向が確認された。レバレッジポジションは、おおむね5万7000ドルから6万500ドルのレンジに集中していた。この価格帯は、ビットコインが6月末以降に推移してきた水準とも重なる。
これに対し、上値側の6万1000〜6万2000ドル、下値側の5万5000〜5万6000ドルでは、ポジションの密集度は大きく低下していた。
この構造は、現在値近辺に強制清算を誘発しやすいポジションが集まっていることを示す。上方向では6万1000ドルを明確に上抜けた場合、下方向では5万6000ドルを割り込んだ場合に、ポジション調整が一段と加速する余地がある。
短期の方向感はなお中立に近い。相場反転と判断するには、ビットコインの上昇とレバレッジポジションの増加が同時に確認される必要があるが、現時点のデータからは読み取れない。このため、市場は6万1000ドル台の回復を試す局面でも、現物ETFの資金流出とデリバティブ市場の偏りを見極めながら、底打ちの有無を探る展開が続きそうだ。