Metaの「Llama」関連イメージ(写真=Shutterstock)

Metaが、自社データセンターを活用したAIクラウド事業の立ち上げを検討している。計算資源の貸し出しに加え、自社AIモデルへのアクセス提供も視野に入れており、Amazon Web Services(AWS)やGoogle Cloud、Microsoft Azureと競合する可能性がある。

Bloombergが1日(米国時間)に報じたところによると、MetaはAI向けの計算資源とモデル利用を組み合わせて提供するクラウドインフラ事業を準備している。

Metaは、巨額投資を投じて整備してきたデータセンターの収益化を急ぐ構えだ。CoreWeaveのように計算資源を単純に貸し出す案のほか、AWSのように、自社インフラ上で動作する各種AIモデルへのアクセスを提供する案も検討している。対象には、最近投入したクローズドモデル「Muse Spark」も含まれる。

この事業は「Meta Compute」の名称で進められており、インフラ部門を率いるサントシ・ジャナルダン氏、Meta Superintelligence Labsを統括するダニエル・グロス氏、社長のディナ・パウエル・マコーミック氏が主導している。

こうした動きは、SpaceXの事例とも重なる。SpaceXは5月初旬、Anthropicと契約し、自社の「Colossus1」データセンターの計算資源を全面的に提供した。その後、GoogleやReflection AIとも同様の賃貸契約を結んだ。

TechCrunchは、Metaまで同様の戦略に踏み切れば、AI競争の焦点が「優れたモデルを開発する力」から「どれだけ大規模なデータセンターを保有しているか」へ移る可能性を示す動きだと伝えた。その前提として、計算需要が今後も続き、データセンターの価値が下落しないことが必要だとも指摘している。

一方で、こうしたAIインフラ投資競争に懐疑的な見方もある。償却負担を抱える半導体への過度な依存がバブルを生むとの警戒感に加え、AI企業が兆ドル規模の投資を正当化できるだけの実需に基づく売上を生み出せるのかを疑問視する声も出ている。

それでもMetaは、AI計算インフラへの投資を緩めていない。1〜3月期末時点で、今後のAIインフラ向けに1829億ドルを投じる計画を示した。これには、ルイジアナ州とオハイオ州で進む大規模プロジェクトが含まれる。オハイオ州の案件については、ザッカーバーグ氏がマンハッタン級の規模だと説明しており、年内の稼働を予定している。

GoogleやOpenAIと異なり、Metaは自社AIモデルやサービスで明確な商用需要を示せていない。業績発表でも、Meta AIやオープンウエイトモデル群「Llama」による売上は個別開示していない。経営陣もこれまで公の場では社内活用事例を主に強調してきたため、AI事業が独立した収益源としてはまだ確立していないとの見方が出ている。

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