ビットコイン(写真=Shutterstock)

Citiが、ビットコインとイーサリアムの12カ月目標価格をそろって引き下げた。米国のビットコイン現物ETFへの資金流入見通しを撤回したほか、法整備の遅れやビットコイン保有企業による売却観測が相場の重しになるとみている。

ブロックチェーンメディアのCoinPostによると、Citiは最新リポートで、ビットコインの12カ月目標価格を従来の11万2000ドルから8万2000ドルに、イーサリアムは3175ドルから2240ドルにそれぞれ下方修正した。

主因は、ビットコイン現物ETFの資金流入見通しの見直しだ。Citiは今後12カ月で100億ドルが流入するとの前提を取り下げ、見通しをゼロに修正した。ETFの資金流入鈍化に加え、米国のクラリティ法案を巡る法整備の遅れや、ビットコイン保有企業の売却懸念が重なり、投資家心理が悪化しているとみている。

相場も軟調さが鮮明になっている。ビットコインは6月30日に5万8864.27ドルまで下落し、2024年9月以来の安値水準を付けた。2025年10月の高値12万6223.18ドルと比べると、下落率は5割近い。イーサリアムも1585.63ドルまで下げ、2025年4月以来の低水準となった。

Citiは弱気シナリオも示した。景気後退とETFからの資金流出が続いた場合、ビットコインは5万3000ドル、イーサリアムは1094ドルまで下落する可能性があるとした。両資産が長期移動平均線を下回る水準で推移している点についても、弱気センチメントを示すシグナルと指摘した。さらに、資金がAI関連資産にシフトし、暗号資産市場からの流出が加速しているとも分析した。

ETF市場でも資金流出は拡大している。Sosovalueのデータによると、米国上場のビットコイン現物ETFは2026年6月に約45億ドルの純流出となり、2024年1月の上場以来で最大の月間流出を記録した。これまで最大だった2025年2月の34億8000万ドルを上回った。6月末時点の運用資産は約710億ドルに減少し、ビットコイン価格も同月に約20%下落した。

財務戦略の一環としてビットコインを積み増してきた企業への圧力も強まっている。21Sharesの中間リポートによると、主要なビットコイン保有企業18社のうち13社は、保有ビットコインの時価を下回る企業価値で評価されている。資金調達環境が悪化した一部企業では、資産売却がすでに始まったという。

売却事例も相次いでいる。Strategy(旧MicroStrategy)は2022年以降で初めて保有ビットコインの一部を売却した。MARA Holdingsは転換社債の償還資金を確保するため、1万5000BTC超を処分した。Nakamoto Holdingsも約40%の含み損を抱えた状態でビットコインを売却したと伝えられた。

こうした動きは、価格下落がETFの需給と企業財務の双方に影響を及ぼしていることを示している。CitiがETFへの資金流入見通しをゼロに引き下げ、保有企業の売却可能性を下押し要因に挙げたことで、今後はETFの資金動向と企業の追加売却の有無が市場の焦点になりそうだ。

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