韓国取引所は、KOSDAQ市場の開設30周年を機に市場制度の見直しに乗り出す。優良企業を明確に選別する新たな市場区分の導入と、上場廃止基準の厳格化を柱に、市場の信頼回復とKOSDAQ全体のディスカウント是正を図る。
韓国取引所KOSDAQ市場本部のチェ・ジウ常務は7月1日、KOSDAQ市場開設30周年記念行事で、「KOSDAQ市場が一段と成熟した市場へ発展するには、市場の信頼とディスカウントの問題を解消する必要がある」と述べた。
KOSDAQ市場は1996年7月1日に開設された。上場企業数は当初の341社から、2025年末時点で1827社に拡大。時価総額も発足初期の約7兆ウォンから、2026年1月には初めて600兆ウォンを突破した。
売買規模も大きく伸びた。1日平均売買代金は開設初期の222億ウォンから、2026年には14兆1000億ウォン規模に拡大した。指数も2026年1月に再び1000台を回復し、4月27日には1226ポイントまで上昇。ドットコムバブル後の最高値を更新した。
業績面でも改善が進んだ。2025年のKOSDAQ上場企業の売上高は297兆ウォン、営業利益は11兆7000億ウォン、純利益は5兆2000億ウォンで、前年比ではそれぞれ8.8%、21.9%、52.9%増となった。不誠実開示法人の指定件数も、2024年の113件から2025年は81件に減少した。
産業構成の変化も鮮明になっている。チェ常務は、KOSDAQが製造業中心の構造から脱し、AI、バイオ、半導体、防衛産業、宇宙航空といった先端産業中心へと多角化したと説明した。先端産業企業が新規上場に占める比率は、2023年が34%、2024年が36%、2025年は50%近くに達したという。
一方で、課題として残るのが市場の信頼とディスカウントだ。取引所は、問題企業の退出が遅れ、一部企業が市場に長くとどまることで不公正取引に悪用される余地が生じ、優良企業と問題企業が同じ市場に混在する構造が、KOSDAQ全体の評価を押し下げてきたとみている。
このため取引所は、上場廃止制度の厳格化を進める。1000ウォン未満の低位株や、いわゆる超低位株を対象とする上場廃止ルールを新設するほか、時価総額と売上高に関する退出基準も段階的に引き上げる方針だ。実質審査の手続きは合理化によって短縮し、不誠実開示に対する累積ペナルティー点数の基準も厳しくする。
上場廃止決定企業は今後さらに増える見通しだ。KOSDAQの上場廃止決定企業数は2021年の8社から2025年には38社に増加しており、取引所は2026年には88社規模に達すると見込んでいる。
あわせて、市場区分の導入も検討する。優良な代表企業を集めた仮称「KOSDAQセレクト」セグメントを新設し、成長性と安定性を備えた企業がKOSDAQ内で明確に評価される仕組みを整える構想だ。
チェ常務は、セグメント導入の目的について「革新企業が成長し、投資家が安心して投資できる市場をつくることだ」と強調した。機関投資家にとって活用しやすい投資基準を示すとともに、KOSDAQ優良企業のブランド効果を高め、KOSPIへの移転上場を促すインセンティブの緩和にもつなげたい考えを示した。
リスクの高い企業については、別の管理群で集中的に管理する。取引所は定期的な再評価を通じて、企業がセグメント間を移動できるようにし、柔軟に運用する計画としている。
技術特例上場の審査体制も高度化する。AI、バイオ、半導体、防衛産業、宇宙航空など先端革新産業に対応した質的審査基準を整備し、対象分野も先端ロボットやサイバーセキュリティへ広げる予定だ。
チェ常務は「一律にハードルを上げ下げするのではなく、技術力をより正確に評価し、一貫性のある審査体系を整えることが重要だ」と述べた。
取引所は今後の重点方針として、市場信頼の回復、長期投資基盤の拡充、革新企業の成長エコシステムの構築、アジア新興市場のハブへの飛躍を掲げた。
チェ常務は「過去30年間、KOSDAQ市場が革新企業の成長を支えてきたとすれば、今後30年はその役割をより信頼性が高く、持続可能な形へ発展させる時間になる」と述べたうえで、「市場と十分にコミュニケーションを取りながら制度改善を進める」と語った。