AI投資回収への懐疑が強まり、マグニフィセント7の時価総額は6月に大きく縮小した(写真=Shutterstock)

米大型IT7社で構成する「マグニフィセント7」の時価総額が、6月に2兆3000億ドル減少した。市場では、ビッグテック各社による巨額のAI投資がいつ業績に結び付くのかを見極める動きが強まる一方、半導体関連株には引き続き資金が流入している。

CNBCが6月30日付で報じた。市場の関心は、AIインフラ投資そのものの是非というより、投資回収の時期と収益化の確度に移りつつある。

マグニフィセント7はMicrosoft、NVIDIA、Alphabet、Apple、Meta、Tesla、Amazonの7社で構成される。CNBCのマグニフィセント7指数は6月に10%下落した。Amazon、Microsoft、Alphabet、MetaはAIサービス拡大に向け、半導体の確保やデータセンター建設に数千億ドル規模を投じており、その一部は負債で賄っている。

焦点となっているのは、こうした先行投資がいつ業績に反映されるかだ。7月に本格化する4〜6月期決算が最初の分岐点になるとみられている。Wedbush Securitiesのマネージングディレクター、ダン・アイブス氏は、決算シーズンを前にAI革命への投資拡大を改めて検証する動きが出ており、当面はコスト負担への警戒が続く可能性があると指摘した。

個別銘柄の下落も大きかった。Microsoftは6月に20%下落し、NVIDIAは約13%安、AppleとAmazonもそれぞれ約8%下落した。市場では、マグニフィセント7を巡る投資シナリオが変化しつつあるとの見方も出ている。

Fundstrat Global Advisorsのリサーチ責任者、トム・リー氏は、市場はマグニフィセント7の新たな物語を消化しようとしていると述べた。これらの企業は、従来のようなアセットライトで高いキャッシュ創出力を持つ企業から、バランスシート負担の重い企業へ移行しつつあるという。一方で、現在の支出は最終的に人の業務をAIに置き換えるためのものであり、時間の経過とともに投資家はそれを競争優位と評価するようになるとの見方も示した。

これに対し、半導体株は同期間に相対的な強さを見せた。TSMC、Micron、ASMLなどを含むフィラデルフィア半導体指数は6月に約6%上昇。年初来では90%超上昇し、同期間に3.4%下落したマグニフィセント7指数とは対照的な値動きとなった。

背景にあるのは、ビッグテックによるAI投資拡大だ。大手プラットフォーム企業が半導体を大量に調達したことで供給不足が続き、部品サプライヤーから製造企業までサプライチェーン全体に波及した。とりわけメモリは、供給逼迫を背景に価格が急騰した主要なボトルネックとされる。SK hynixやSamsung Electronicsなどに連動するRoundhill Memory ETFは、年初来で166%上昇した。

業績面も半導体株の追い風となった。HSBCのマルチアセット戦略家、ダンカン・トムス氏は、先週発表されたMicronの決算について、AI懐疑論を後退させる内容だったと評価した。AI需要の土台がなお健全であることを示す明確な証拠になったと述べている。UBSも、AIサプライチェーンのボトルネックが緩和する兆しは見られず、主要プラットフォーム企業のクラウド売上高の伸びも年後半にかけて一段と加速するとの見方を示した。

UBSは、こうした流れがAI成長シナリオの基盤の強さを示していると分析した。その一方で、長期的にAI関連銘柄へのエクスポージャーが株式市場のパフォーマンスを左右する重要要因になったとしても、AI関連と非関連の双方にまたがる分散投資は必要だと指摘した。

市場はビッグテックのAI支出そのものを否定しているわけではない。むしろ、どの企業が先に投資効果を業績で示せるかを見極めながら、資金配分を見直している。7月の4〜6月期決算では、大手プラットフォーム各社が投資回収の兆しを示せるか、半導体の供給不足がどこまで続くかが主要な焦点となる。

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