写真=Shutterstock/今回のサイクルは、半減期そのものよりも半減期前に流入したETF資金が相場の流れを変えた点で、過去局面と異なる。

ビットコインが2024年4月の第4回半減期から800日超を経ても、半減期当日に購入した投資家がなお含み損を抱える水準にとどまっている。過去の半減期サイクルと比べて異例の弱い推移だとして、今回の相場を「過去最弱」とみる声も出ている。

Decryptが6月30日付で報じたところによると、ビットコインの足元の価格は約5万9400ドルで、第4回半減期が実施された2024年4月19日時点の約6万4000ドルを下回っている。

半減期当日にビットコインを買った投資家は、現時点でも評価損の状態にあることになる。過去の半減期サイクルでは、この時期にはすでに利益圏に入っていたケースが多く、今回の値動きは対照的だ。

さらに、ビットコインは昨年10月に付けた最高値12万6000ドルから約53%下落しており、今回のサイクルの弱さを懸念する見方も強まっている。

もっとも、半減期当日の価格だけで今回のサイクルを過去と単純比較するのは適切ではないとの指摘もある。今回は半減期前から機関投資家の資金流入が進み、価格上昇が先行したためだ。

実際、ビットコインは半減期の1カ月以上前に当たる2024年3月、当時の最高値となる7万3800ドルを記録した。過去のように半減期後に本格上昇が進んだ局面とは異なり、相場上昇のタイミング自体が前倒しされた形だ。

その背景にあるのが、米国のビットコイン現物ETFだ。2024年1月に上場した現物ETFが、半減期による供給減少を織り込む前に、大規模な機関投資家マネーを市場に呼び込んだ。

半減期当日までのETF累計純流入額は約123億ドル。供給減少への期待よりも、機関投資家による先回りの買いが先に相場へ織り込まれ、半減期が相場に与えるインパクトは従来より薄れたとの分析が出ている。

市場では、こうしたゆがみを補うため、「実現価格(Realized Price)」にも注目が集まっている。実現価格は、流通するビットコインが最後にオンチェーンで移動した時点の価格を基に算出する平均取得単価で、短期的な値動きよりも市場参加者の実質的な平均コストを反映する指標とされる。長期サイクルの比較でも用いられる。

ビットコインの実現価格は約5万3197ドル。現物価格はこの水準を約10%上回るにとどまり、過去の弱気相場の底値圏に近い水準だという。

問題は、実現価格を基準に見ても、今回のサイクルの強さが過去より見劣りする点だ。2013年、2017年、2021年の強気相場では、市場価格が実現価格を大きく上回り、投機的な買いが集中していた。

だが今回のサイクルでは、昨年に最高値を更新した局面でも、市場価格と実現価格の乖離は過去ほど大きく広がらなかった。

今回の強気局面は、個人投資家の投機的な買いよりも、現物ETFを通じた機関投資家中心の継続的な資金流入に支えられて進んだとみられる。急激な過熱は抑えられた半面、過去のような爆発的な上昇も起きにくかったという。

市場では、今回のサイクルを最終評価するのはなお早いとの見方が多い。ただ、半減期当日の価格に加え、実現価格を基準に見ても、今回のビットコイン相場が過去の半減期局面より相対的に弱い推移だったことを、オンチェーンデータがそろって示唆しているとDecryptは伝えている。

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