XRPの大口保有者が、個人投資家を上回るペースで中央集権型取引所から資産を引き出していることが分かった。関連指標は5月上旬から6月末にかけて大きく上昇した一方、Binanceでは低下しており、流出先が特定の取引所に偏らず分散している可能性が浮上している。
6月30日付のブロックチェーンメディア「Decrypt」によると、足元ではXRPの大口保有者と個人投資家の取引所からの引き出し動向の差が広がっている。
CryptoQuantのデータと暗号資産アナリストのアムル・タハ氏の分析によれば、7日移動平均ベースの「クジラ対個人投資家スプレッド」は上昇傾向が続いた。中央集権型取引所全体では、この指標が5月6日の26.0%から6月29日には50.9%へ上昇し、24.9ポイント拡大した。
同指標は、10万XRP超の大口取引と10万XRP以下の取引における取引所流出の差を示す。数値が高いほど、大口保有者が個人投資家よりも積極的に取引所からXRPを引き出していることを意味する。
価格変動が続く中、個人投資家が様子見姿勢を強める一方で、大口保有者は資産の取引所外への移動を進めている可能性がある。分析では、中央集権型取引所全体で大口の引き出しが徐々に存在感を強めているとみている。
もっとも、このデータだけで大口保有者の最終的な意図を断定することはできない。取引所から引き出されたXRPは、個人ウォレットでの自己保管のほか、機関向けカストディサービスへの移管や内部資金の振り替えである可能性もある。Decryptは、大口流出が必ずしも単一の目的を示すものではないと伝えた。
オンチェーンデータでは、別の変化も確認された。XRP Ledger(XRPL)ではアクティブ受信アドレスが増加傾向にあり、ネットワーク上でXRPを受け取る固有ウォレット数が増えている。取引所から流出した一部資産が自己保管ウォレットに移った可能性を示唆する動きとみられる。
一方、Binanceでは市場全体と異なる動きが出た。Binanceの「クジラ対個人投資家スプレッド」は、6月11日の62.0%から6月29日には44.6%へ低下した。中央集権型取引所全体の平均である50.9%も6.3ポイント下回った。
大口保有者が個人投資家より積極的にXRPを取引所外へ移している点は同じだが、引き出しはBinanceに偏るのではなく、ほかの中央集権型取引所にも分散していることを示している。
直近の大口XRPの移動でも、Binanceの比率は以前より低下したという。市場では、大口資金の分散傾向が続くか、自己保管ウォレットの増加が持続するかが、今後のXRP需給を見極めるうえでの重要な観測点となっている。