XRP Ledger(XRPL)で予定されているオンチェーン融資機能の導入が遅れている。関連する改定案「XLS-65」「XLS-66」の採択が進んでおらず、RippleXは、検証者の多くが次期「fixCleanup3_2_0」アップグレードに盛り込まれる修正を待っているためだと説明している。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが6月30日(現地時間)に報じた。RippleXのソフトウェアエンジニア、マユカ・バダリ氏は、XLS-65とXLS-66の採決が停滞している理由について、「多くの検証者が次期『fixCleanup3_2_0』アップグレードに含まれる修正を待っている」と述べた。
今回の遅れは、XRPLがDeFi機能の拡充を進める中で注目を集めている。XLS-65は、複数のユーザー資産を1つのボルトに預け入れる「Single Asset Vault」を導入する改定案だ。
一方のXLS-66は、そのボルトに集まった資産を活用し、一定期間の無担保オンチェーン融資を可能にする仕様だ。ただし、借り手の与信評価やリスク管理はオフチェーンで行う設計となっている。
採決の停滞については、検証者の間からも言及が出ている。XRPL検証者のGraffeはX(旧Twitter)への投稿で、XLS-65とXLS-66の進捗は非常に遅く、両改定案は依然としてdUNLの問題リストに含まれているようだと指摘した。
Graffeはあわせて、「採決の数値が長期間ほとんど動いていない」とも投稿している。
実際、賛成率は採択基準に届いていない。融資プロトコルに関するXLS-66の賛成率は約20%にとどまり、採択に必要な80%を大きく下回る。
Single Asset Vaultに関するXLS-65の賛成率も22.86%で、必要水準には遠い状況だ。
バダリ氏は、その背景に「fixCleanup3_2_0」アップグレードがあると説明した。「多くの検証者がfixCleanup3_2_0に含まれる一部の修正を待っている」とした上で、「Safety first(安全第一)」と強調した。
機能追加よりも、まずはプロトコルの安定性を確保すべきだという考え方が、検証者の間で共有されているとの見方を示した形だ。
fixCleanup3_2_0は、XRPL 3.2.0に含まれるアップグレードで、Single Asset Vaultや融資プロトコルに加え、パーミッションドDEX、多目的トークン(MPT)、パーミッションドドメインなど複数機能に関わるバグ修正を盛り込む。
こうした事情が、検証者が改定案の採決を急がない背景にあるとみられる。
一方、XRP Ledger Foundationはこれに先立ち、vs1と協力して、XRPLベースの許可型で規制準拠の融資向けオープンソースのリファレンスアプリケーションを開発すると発表している。
同アプリケーションは、Credentials、パーミッションドドメイン、Single Asset Vault、融資プロトコルなど、XRPLの新機能の活用を前提に設計された。ただ、関連する改定案が十分な検証者支持を得られなければ、実際の金融エコシステム拡大のスケジュールも後ろ倒しになる可能性がある。
市場では、fixCleanup3_2_0の完了後に検証者の採決が再び動き出すかどうかが、XRPLのオンチェーン金融機能拡大を占う焦点になっている。