ビットコインのイメージ(写真=Shutterstock)

ビットコイン(BTC)市場で損失確定売りが増え、オンチェーン指標が過去の弱気相場の底水準まで低下した。市場では、投資家の「降伏(Capitulation)」局面入りを示すシグナルとの見方が広がる一方、長期投資家にとっては買い場となる可能性も意識されている。

CoinPostが6月29日に報じたところによると、CryptoQuantのオンチェーンアナリスト、ダークポストは、ビットコインのUTXO損益比率(P/L Count Ratio)が今回の調整局面で初めて、過去の弱気相場の底水準まで低下したと分析した。

焦点となっているのは、利益確定に使われたUTXOと、損失を確定して使われたUTXOの比率を示すP/L Count Ratioだ。UTXOは未使用のビットコイン取引出力を指し、取得時点や取得価格、数量などをたどれるため、投資家が利益確定したのか、損失確定売りに動いたのかを把握する際の指標として使われる。

ダークポストが公開したチャートによると、足元のP/L Count Ratioは2019年と2022年の弱気相場の底で見られた水準まで低下した。一方で、2017年と2021年の強気相場の天井圏、さらに2024〜2025年の上昇局面では高水準を記録していた。足元では利益確定売りよりも損失確定売りが優勢な局面に入ったことを示しているという。

ダークポストは、この動きを市場参加者の「降伏」シグナルと解釈した。「この指標が現在の水準まで低下した時期は、多くの投資家が市場を諦め、関心を失う局面と重なっていた」と説明。そのうえで、「このプロセスは1日で終わるものではなく、一定の時間を要する」とし、「大規模な利益確定が出る局面ではなく、むしろ市場を注意深く見守るべき局面だ」と付け加えた。

市場心理の悪化もうかがえる。損失確定売りの増加は、短期反発を待つより換金を優先する動きが広がっていることを示す。今回の調整で初めて同指標が過去の弱気相場水準まで低下した点は、単なる価格調整を超えて投資心理の萎縮が進んでいるシグナルと受け止められている。

ダークポストは過去の事例にも触れ、同指標が底水準を示した時期は、長期投資家にとって意味のある買い機会につながってきたと説明した。ただし、このシグナルが直ちに価格反発を意味するわけではないとも強調した。降伏局面が形成された後、実際の底入れを確認し、市場が安定するまでには相応の時間を要する可能性があるという。

市場では、損失確定売りの拡大が一段安につながるのか、それとも長期投資家の買いを促す契機になるのかに関心が集まっている。オンチェーン指標を見る限り、ビットコイン市場は利益確定の局面を過ぎ、損失整理の段階に近づいている。今後は短期的な価格変動以上に、投資家の損益構造の変化や長期保有者の動向が相場の方向性を見極める重要な手掛かりとなりそうだ。

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