Teslaが完全自動運転支援機能「FSD」の永久ライセンス販売を打ち切り、月額99ドルのサブスクリプションに一本化した中、車載ハードウェアの世代差によってユーザー評価が分かれている。最新のHW4搭載車では「月額料金に見合う」との受け止めがある一方、旧世代のHW3搭載車では最新機能との格差に不満も出ている。
電気自動車メディアのCleanTechnicaは26日(現地時間)、2019年式のTesla Model 3と2026年式のModel Yの両方を使用したユーザーの体験を紹介し、FSDの使用感はハードウェア世代によって大きく異なると報じた。
Teslaは最近、FSDの永久ライセンス販売を終了し、月額99ドルのサブスクリプションのみの提供に切り替えた。FSDの価格はこれまで、6000ドルから始まり、一時は1万ドルまで上昇。その後、8000ドルに調整されていた。
このユーザーは2019年にModel 3を購入した際、6000ドルでFSDを買い切りで導入した。約78カ月の保有期間で均すと、月額換算ではおよそ77ドルになる。
一方、現在の8000ドルを基準にすると、買い切りの方が月額99ドルのサブスクリプションより割安になるには、6年半以上車両を保有する必要がある計算だという。
ただ、より大きな違いは費用ではなくハードウェア性能にある。Teslaは2023年から、より高性能なコンピュータや改良型カメラ、フロントバンパーカメラなどを備えたHW4プラットフォームの搭載を新型車で始めた。
その後のFSDの主要アップデートはHW4を軸に進み、HW3搭載車は事実上FSD V12にとどまる一方、最新車ではFSD V14が利用可能になったという。
このユーザーは最近、Model 3が全損となった後、約3週間レンタカーを利用し、その後、FSD V14を30日間無料で使える2026年式Model Yを購入して両者を比較した。HW4ベースのFSD V14については「運転の自動化を新たな段階に引き上げた」と評価している。
一時停止標識では人間よりやや慎重な動きも見られたが、ブレーキ、アクセル、ステアリングにほとんど介入せず、目的地まで安定して走行できたとしている。
走行品質も大きく改善したという。車線が見えにくい道路や急カーブでも適切な速度を維持し、横断歩道に近づく歩行者を事前に認識して停止したほか、シカが道路を横断する場面でも減速して対応したと伝えた。
出庫・駐車機能も向上した。ガレージから自動で後退して出庫し、大型ショッピングモールの駐車場やTeslaのSuperchargerでは後退駐車までこなしたという。
もっとも、完全自動運転には至っていないとの指摘もある。ユーザーは「車両が時折ミスをするため、依然としてドライバーの監視が必要だ」と述べた。
目的地に到着した後、ガレージ内まで完全に駐車できない場合があったほか、大型店舗では運転者が選ぶより遠い場所に駐車するケースも多かったという。車両後部に自転車キャリアを装着すると、後退駐車の精度も落ちたとしている。
価格政策への不満も示した。過去には、一部のModel SとModel Xで長距離の高速道路走行時に標準の操舵支援機能を使えたが、現在は月額99ドルを支払わないとその機能すら利用できない点を挙げ、「脅しのようにも感じる」と評した。
一方で、長距離運転が多くないユーザーにとっては、必要な月だけ契約することで負担を抑えられる点は利点だとした。
月額99ドルの価値は、すべてのユーザーに一律ではないとの見方も示した。運転そのものを楽しみたいドライバーには必要性が高くない可能性がある一方、長距離移動の負担軽減や最新の運転支援機能を積極的に使いたい消費者にとっては、満足度が高い可能性があるとしている。
さらに、Teslaが将来的にレベル4相当の自動運転を実現した場合、現在の月額99ドルというFSD料金が引き上げられる可能性もあると予測した。