写真=Reve AI

暗号資産取引所大手Binanceの創業者で元CEOのチャンポン・ジャオ氏(CZ)が、Forbesによる自身の資産試算に異議を唱えた。ForbesはCZの純資産を1100億ドルと見積もり、世界17位に位置付けたが、CZは算定の根拠に疑問を示している。

ブロックチェーンメディアのU.Todayが28日付で報じた。Forbesは過去12カ月でCZの資産が470億ドル増えたと試算しており、この前提に対してCZが反発した格好だ。

Forbesの試算が正しければ、CZの順位はビル・ゲイツ氏を上回ることになる。Forbesは、Binanceの企業価値の持ち直しを背景に、CZが保有する資産価値が膨らんだとみている。あわせて、CZがBinance株式の約90%を保有し、Binanceの年間売上高は約160億ドルに達すると推計した。

これに対しCZは、X(旧Twitter)への投稿でForbesの要約文を引用し、「これはどうやって可能になるのか」と疑問を投げかけた。特に、暗号資産相場が50%超下落したにもかかわらず、1年間で純資産が470億ドル増えたとする見立てに納得できないとの立場を示した。

CZが問題視しているのは、資産増加額そのものというより算定ロジックだ。暗号資産市場が大幅な調整局面にあるなかで、個人資産が数百億ドル規模で増えたとする説明は実態にそぐわない、という主張である。

暗号資産コミュニティでも同様の見方が出ている。XユーザーのTCCは、CZがこれまでもこうした長者番付を重視してこなかったとしたうえで、「億万長者ランキングは事実ではなく、あくまで推計値だ」と投稿した。CZもこれに対し「TCCが正しい」と返信し、ランキングは推計にすぎないとの認識を改めて示した。

今回の論点は、CZ個人の資産総額そのものより、未上場の暗号資産企業をどう評価するかにある。Binanceのように支配株主の持ち分が大きく、外部開示される財務情報が限られる企業は、評価手法によって企業価値や創業者資産の見積もりが大きく変わり得る。

さらに、値動きの大きい暗号資産市場の影響も加わることで、純資産ランキングは実際の保有資産より推計モデルに左右されやすくなる。CZはForbesが示した数値を全面的に疑問視した一方で、Binanceの持ち分構造について新たな説明はしていない。

市場の関心は今後、Binanceの企業価値や収益性をForbesがどのような基準で反映したのか、また暗号資産企業オーナーの資産試算がどの程度の信頼性を持つのかに向かいそうだ。

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