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米スタートアップのBrickが、アプリ制限の解除に物理的な行動を求める小型デバイスで注目を集めている。NFC搭載タグをスマートフォンにかざさなければブロックを解除できない仕組みで、無意識にアプリを開いてしまう習慣の抑制を狙う。

米TechCrunchが6月24日(現地時間)に報じたところによると、Brickはスマートフォンのアプリ利用を制限する製品を提供している。通知を切ったり利用時間を制限したりする従来の機能と異なり、解除時にあえて物理的な“ひと手間”を挟むのが特徴だ。

例えば、Instagramなどブロック対象に設定したアプリを再び使うには、Brickを置いた場所まで移動し、Brickに端末を接触させる必要がある。設定変更や通知の無視で回避されがちな既存のスクリーンタイム機能やデジタルウェルビーイング機能に対し、行動のハードルを設けることで衝動的な利用を減らす考えだ。

共同創業者のジャック・ナスゴウィッツ氏は、製品開発の出発点について、自身がスマートフォンに日常生活を侵食されていると感じた経験だったと説明した。既存のソフトウェア中心の対策では不十分だったため、自ら製品化に踏み切ったという。

Brickでは、利用シーンに応じて複数のブロックモードを設定できる。例えば午後10時30分に「睡眠モード」を自動で有効にし、メッセージアプリとオーディオアプリを除く大半のアプリをブロックするといった使い方が可能だ。朝になっても、Brickのある場所まで行かなければSNSなどをすぐには起動できない。

共同創業者のティージェイ・ドライバー氏は「ソフトウェアだけでは制限を簡単に回避されてしまう」とした上で、「効果を持たせるには、立ち止まって考えるための摩擦が必要だ」と語った。アプリを再利用する前にデバイスの前まで行く工程そのものが、無意識の行動を意識的な選択へと変える役割を果たすとしている。

例外時の仕組みも用意した。外出中に地図や配車サービスが必要になる場面を想定し、回数制限付きの「緊急解除」機能を備える。ブロック対象から外すアプリもユーザー自身が設定できる。

同社は、この製品を「Dumb Phone」とは異なるアプローチと位置付ける。モバイル決済や交通機関の利用、チケット確認、業務用認証アプリなど、スマートフォンが前提となる場面が定着しているためだ。スマートフォンそのものを手放すのではなく、必要な機能は残しながら不要なアプリ利用を減らす手段として提案する。

ジャック・ナスゴウィッツ氏は利用例として、韓国にいる家族や友人との連絡のためKakaoTalkを使い続ける必要があった利用者の声も紹介した。Brickの利用後は、スマートフォンの用途がテキスト、通話、写真撮影、KakaoTalk程度に絞られ、望んでいた使い方に近づいたという。

同社は中核価値を「コントロールを取り戻すこと」に置く。ティージェイ・ドライバー氏は「技術を拒むことが目的ではない。ユーザー自身がスマートフォン利用をコントロールし、意図を持って活用できるようにすることが重要だ」と述べた。Brickは、スマートフォンの代替ではなく、時間や状況に応じてデジタル習慣を管理する新たなデジタルウェルビーイングツールとして市場を開拓したい考えだ。

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