写真=Reve AI

Anthropicが投入した新たなAIモデル「Claude Fable 5」が、安全対策の不備を理由に米政府の輸出規制対象となった。これにより、「Mithos 5」と「Fable 5」については外国籍利用者による海外からのアクセスが制限され、AI業界に波紋が広がっている。Fable 5をてこに新規株式公開(IPO)の動きを加速させようとしていた同社にとって、規制の長期化は上場戦略の重荷となりかねない。

今回の措置を受け、各国ではソブリンAIやオープンソースAIモデルへの関心も一段と高まった。AIを巡る競争が地政学と安全保障の論点に直結する構図が、あらためて浮き彫りになった格好だ。

今回の輸出規制は、Anthropicの「Mithos」と「Fable 5」に限って適用される。OpenAIも、主力モデル「GPT-5.5」を上回る新型AIモデルの投入を近く計画しており、米政府が今後どのような対応を取るかにも注目が集まっている。Anthropicは問題の早期解決に向け、ホワイトハウス関係者と直接会談する見通しと伝えられている。

AIを巡る企業動向も引き続き活発だ。NVIDIAのジェンスン・フアンCEOの訪韓では、滞在中に韓国の大企業やスタートアップとの協業案件が相次いで発表された。

Appleは年次開発者会議「WWDC」で、Googleと協力して開発した次世代AI音声アシスタント「Siri」を披露した。MicrosoftはAIエージェント向け検索エンジン「Web IQ」を公開。人向けに検索結果を順位付けする従来型とは異なり、トークン消費を抑えた圧縮形式で結果を返す仕組みだ。データベース企業のTiger Dataも、AIエージェント向けのマネージドPostgreSQLサービス「Ghost」を投入した。

OpenAIは、AIコーディングツール「Codex」の強化に向けてスタートアップのOnaを買収する。Onaは、AIエージェントがツールやシステム、業務コンテキストにアクセスできる事前設定型のセキュアなクラウド環境を提供している。

GoogleはAIサブスクリプション「AI Plus」の月額料金を7.99ドルから4.99ドルに引き下げ、ストレージ容量も200GBから400GBに増やした。Amazon Web Services(AWS)は、企業のクラウドコスト最適化を支援するAIツール「AWS FinOps Agent」をパブリックプレビューで公開した。

Xiaomiは、ターミナルベースのAIコーディングツール「MiMo Code V0.1.0」をオープンソースとして公開した。同社によると、MiMo Codeは主要なエージェント型コーディングのベンチマークでAnthropicの「Claude Code」を上回る性能を示したという。

資金調達の面では、Jeff Bezos氏と元Google幹部のビック・バジャイ氏が率いる産業AIスタートアップPrometheusが、企業価値410億ドル(約6150億円)で120億ドル(約1800億円)規模のシリーズB資金を調達した。フィジカルAI企業のRLWRLDは、自社開発のロボティクス基盤モデル(RFM)「RLDX-1」を披露し、韓国市場での展開を加速する。Trillion Labsは、NVIDIA OmniverseライブラリとNVIDIA Nemotronオープンモデルを基盤に、AIファクトリー向けの「Industrial World Models」を開発している。

企業のAI導入も広がっている。Hancomは、AIデータ処理ソリューション「Hancom Data Loader」と知識検索ソリューション「Hancom Pedia」を基盤に、BGFグループの社内にある構造化・非構造化データをAIが読み取りやすい形に整備した。KSTECは、文書処理業務の短縮と自動化を支援する「Smart IDP(Intelligent Document Processing)ソリューション」を発売。LG CNSはAnthropicと「Claude Enterprise」の導入契約を結び、Upstageは生成AIマルチプラットフォーム企業Timelyを買収した。

一方で、AIコストの増大を懸念する声も大企業、スタートアップを問わず広がっている。性能だけでなく価格がAI業界の勢力図を左右する重要な要素として浮上し、相対的に低価格なAIモデルを求める需要も拡大している。早ければ年内のIPOを狙うOpenAIやAnthropicなどの先行企業にとっては、値下げ圧力が強まる可能性がある。

AIインフラ投資には数千億ドル規模の資金が流入しており、金融市場にも変化が出始めている。AIインフラ向け資金を金融商品化しようとする動きも活発化しており、NVIDIAのGPUを担保にした融資にとどまらず、GPU賃料と連動する先物契約など、コンピューティングパワーのコストそのものを取引対象とする商品の登場も見込まれている。

このほか、KPMGが公表したAI活用レポートに、AIのハルシネーションに基づく虚偽事例が多数含まれていたことも判明した。KPMGは自社サイトから当該レポートを削除している。

キーワード

#人工知能 #Anthropic #Claude Fable 5 #輸出規制 #ソブリンAI #オープンソースAI #OpenAI #NVIDIA #AWS
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.