SpaceXの上場を巡っては、市場で期待と警戒感が入り交じっている。写真=Reve AI

SpaceXの新規株式公開(IPO)が、暗号資産市場の資金動向を左右する材料として注目を集めている。暗号資産市場から資金や投資家の関心を吸収するとの見方がある一方、上場後に株価が上昇すれば、その利益の一部が再びリスク資産に向かう可能性もある。12日(現地時間)、ブロックチェーン専門メディアDecryptoが報じた。

その兆候は、Hyperliquidでも表れている。SpaceX上場前の段階で、永久先物「SPCX」の建玉(未決済約定)は2億4000万ドル、24時間の取引高は2億2000万ドルをそれぞれ超えた。

SPCXは、取引高ベースでHyperliquid内の8番目の規模に浮上した。レバレッジが5倍にとどまるにもかかわらず、20倍のレバレッジが設定されているソラナの永久先物と同水準の取引を記録した。

SpaceXは、米証券取引委員会(SEC)への届出書類に基づき、1株135ドルで5億5500万株を公募する。調達額は750億ドル。企業価値は1兆7700億ドルとされ、米企業で7位級の水準となる。イーロン・マスク氏のTeslaを上回る評価だ。

市場関係者の間では、まず短期的な資金流出を警戒する見方が出ている。デジタル資産の流動性分析を手がけるLO:TECHの主席研究員、アダム・モーガン・マッカシー氏は、個人・機関投資家の資金がすでにSpaceXのIPO配分獲得に向けてリスク資産から流出し始めているとみる。取引開始後も、その圧力がすぐには和らがない可能性があるという。

同氏は、暗号資産とAI関連投資が同じ個人マネーを奪い合っていると指摘した。ここ数週間でビットコイン現物ETFからの資金流出は加速しているが、SpaceXの影響はETF経由よりも、暗号資産市場の流動性縮小や投資家の関心分散という形で表れやすいとみている。

一方で、上場後の株価が大きく上昇すれば、利益の一部が暗号資産市場に戻るとの見方もある。CEX.IOの主席アナリスト、イリヤ・オティチェンコ氏は、今回の公募について、5倍超の応募超過と伝えられるなど需要は強いと評価した。

同氏は、初日に株価が25〜30%以上上昇し、その後も数週間にわたって高い企業価値を維持できて初めて、資金の循環が起こり得るとみている。

もっとも、両氏ともSpaceXのIPOだけでビットコインの方向感が決まるわけではないとの見方で一致している。ビットコインは引き続き、マクロ経済や地政学要因の影響を強く受けているためだ。加えて、AIブームそのものがすでに暗号資産市場の関心と資金を分散させているという。

ビットコインは直近24時間で約1%上昇し、6万1000ドル〜6万4000ドルのレンジで推移した。予測市場Myriadでは、次の展開として5万5000ドルまで再び下落する確率が71%とみられている。

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