SpaceXの新規株式公開(IPO)への期待を背景に、米国の高級不動産や高級時計、チャーター機市場で早くも関連需要が動き始めている。
米CNBCが2026年11日(現地時間)に報じたところによると、SpaceXの現職・元社員は保有株をすぐに現金化できない状況にあるものの、一部では将来の流動化を見据えて消費計画を立て始めている。
まず動きが目立つのは不動産市場だ。南カリフォルニアでは、長年勤務してきたSpaceX社員による高級住宅への問い合わせが増加している。不動産仲介業者のジェラード・ビシニャノは、足元で30代半ばから40代前半の社員複数人が住宅を探しており、一部は家族向け住宅の購入も検討していると明らかにした。
需要増が見込まれる地域としては、SpaceXのカリフォルニア拠点に近いマンハッタンビーチ、レドンドビーチ、ハモサビーチ、パロスバーデス・エステーツなどが挙がっている。ビシニャノはこの一帯で高級住宅需要が膨らむ可能性があるとみている。さらに、マンモスレイクス、パームスプリングス、レイクタホといったカリフォルニア州内のリゾート地でも、セカンドハウス需要が増えるとの見方を示した。
同様の動きは、テキサス州オースティン広域圏でも出ている。SpaceXのバストロップ・キャンパス周辺では、マージンローンを活用して先に住宅を購入しようとする社員がいる一方、株式売却のロックアップ期間終了を待つ社員もいるという。
波及先は住宅にとどまらない。ビシニャノは、新たに資産を得た社員が、高級車を保管できる広いガレージ付き住宅を求める可能性があると指摘した。テック企業の上場や大規模な流動性イベントの後に、高級車や時計、旅行へと消費が広がる例はこれまでも繰り返されてきたという。
高級時計市場も追い風が期待される分野の1つだ。Bob's Watchesの最高経営責任者(CEO)、ポール・アルティエリは、大きな資産を手にした後の最初の高額消費として、時計が選ばれるケースは少なくないと述べた。
チャーター機市場でも関連の問い合わせが出ている。FlexjetとAmalfi Jetsは、SpaceXの上場期待に絡む問い合わせが最近あったことを確認した。Amalfi Jetsのコリン・ジョーンズは、一部顧客がこれを節目とした旅行に向けて、チャーター機の予約を検討していると伝えた。
SpaceXを巡る高級消費への期待は、実際の現金化が始まる前の段階から広がっている。大手テック企業の上場は、従業員の資産形成にとどまらず、地域の不動産市場や高級消費財、プレミアム旅行市場まで連鎖的に刺激する可能性があり、関連業界の関心は当面続きそうだ。