投資銀行Bernsteinは、2026年FIFAワールドカップが予測市場の取引拡大を後押しし、大会期間中の取引量を約30億ドル押し上げる可能性があるとの見方を示した。市場全体の賭け金総額は、最大100億ドル拡大する可能性があるという。12日、CoinPostが報じた。
2026年大会は、参加48チーム、全104試合の新フォーマットで実施される。Bernsteinは、この大型大会がスポーツベッティングおよび予測市場にとって、過去最大級の取引を呼び込む契機になると分析した。
予測市場は、選挙や政策金利の決定、スポーツの試合結果など、現実の出来事の結果に連動する契約を売買する仕組みだ。契約価格は、特定の結果が起きる確率を反映する。
プラットフォーム別ではKalshiが優位を保っている。5月の予測市場全体の取引量は約312億ドルで、前月比5%増だった。このうちKalshiは前月比21%増の179億ドルを記録し、市場シェアは57%まで上昇した。一方、Polymarketのグローバル取引量は前月比14.8%減の71億ドルだった。
Bernsteinは、W杯の恩恵を最も大きく受ける企業としてDraftKingsを挙げた。予測市場商品「DraftKings Predictions」は、カリフォルニア、テキサス、フロリダの3州で唯一の合法的なスポーツベッティング商品だとした。Bernsteinによると、この3州には米国のヒスパニック人口の52%が集中している。
新規口座の増加も見込む。Bernsteinは、W杯期間中にDraftKings Predictionsの新規口座が約65万件増え、2026年末までに累計口座数が約200万件に達すると予測した。DraftKingsが公表した5月の年換算取引額は13億ドルで前月比24%増、総取引量は31億ドルで同34%増だった。
暗号資産業界との接点が深い事業者もW杯需要の取り込みを狙う。予測市場プラットフォームのMyriadは、2026年FIFAワールドカップ全試合の市場で、Chainlinkを独占オラクルインフラとして採用した。試合結果に応じた自動清算と即時支払いに対応し、10万ドル規模のトレーディング大会も実施する。
CoinbaseもKalshiとの提携を通じて、W杯関連の契約を提供している。Bernsteinによると、この商品は2026年初めの提供開始後、3月時点で年換算収益が1億ドルを超えた。今回のW杯は、同商品にとって初の本格的なグローバルスポーツイベント需要になるとみられている。
Bernsteinは中長期でも強気の見通しを維持した。予測市場の総取引規模は、2025年の約510億ドルから2030年には1兆ドルへ拡大する可能性があるとした。年平均成長率は約80%と見込み、2026年の総取引額は2400億ドルに達するとの予測を示した。
予測市場は、2024年の米大統領選を機に、ブロックチェーン基盤のプラットフォームへ大規模な取引が集中したことで認知を急速に広げた。W杯は、政治イベントに続く世界的なスポーツイベントとして、予測市場の成長力を測る試金石になりそうだ。大会期間中は、Kalshiのシェア拡大、DraftKingsの地域基盤の広がり、Coinbaseの提携商品の実績が主な注目点となる。