ビットコインと金のイメージ写真=Reve AI

米国の5月の消費者物価指数(CPI)が前年比4.2%上昇し、金融市場では米連邦準備制度理事会(Fed)の利下げ開始時期が後ずれするとの見方が強まっている。流動性相場の恩恵を受けやすいビットコインに加え、実質金利の影響を受ける金にも逆風となる可能性がある。

Cointelegraphが11日(現地時間)に報じたところによると、米5月CPIは前年同月比4.2%上昇した。

今回のインフレ指標を受け、市場ではFedの利下げ期待が後退した。物価の高止まりが続くなか、一部では年内利上げの可能性にも言及が出ている。暗号資産のようなリスク資産にとっては、厳しい市場環境が続くとの見方が多い。

ビットコインは年初来で軟調に推移している。価格は1月以降で約36%下落し、金も1月の高値から23%安となった。一方、原油価格は同じ期間に50%超上昇しており、エネルギー価格の上昇がインフレ期待を再び押し上げる要因になり得るとみられている。

機関投資家向けトレーディング会社Theoの最高投資責任者(CIO)、イギ・イオフェ氏は、今回のCPIを受けてFedの姿勢が一段と慎重になったと指摘した。ビットコインにとっても、この指標だけで相場の方向感を決定づける材料にはなりにくいとみる。流動性拡大への期待が限られる局面では、リスク資産は新たな緩和シグナルよりもポジション要因の影響を受けやすいという。

金についても楽観はしにくい。イオフェ氏は、重要な変数は実質金利だとした上で、利下げが差し迫っていない状況では、利息を生まない資産を保有する機会費用が高止まりすると述べた。

10x Researchのマーカス・ティーレン氏も、ビットコインに慎重な見方を維持した。足元のマクロ環境はビットコインにとって逆風が続いているとし、今回の物価指標だけでウォール街の投資家がビットコインの組み入れ比率を大幅に引き上げるのは難しいと予想した。夏場にかけては、こうした不安定化要因がさらに意識され、インフレ期待を押し上げる可能性もあるとした。

価格見通しについても強気ではない。ティーレン氏は、ビットコインはなお脆弱な地合いにあり、数日以内に6万ドルを下回る可能性が高まっていると述べた。

もっとも、市場が直ちに利上げへ傾いているわけではないとの見方もある。HashKey Groupのシニアリサーチャー、ティム・スン氏は、利上げ観測は強まっているものの、Fedが年内に実際に利上げに踏み切る可能性は相対的に低いと指摘した。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の先物市場でも、6月17日に予定される連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利が据え置かれる確率は98.4%と織り込まれている。

市場の焦点は、物価の再加速がFedの政策経路をどの程度後ろ倒しにするかに移っている。利下げ時期の後ずれが長引くほど、ビットコインと金はいずれも流動性と実質金利の両面から影響を受けやすい。当面は、物価動向と金利見通しの変化が暗号資産市場の方向性を左右する主な材料となりそうだ。

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